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終わらないかくれんぼ——見つけてはいけないもの 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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「……ねえ、もういいかい?」

その声を聞いた瞬間、俺は背筋が凍りついた。

なぜなら——

この部屋には、俺しかいないはずだったからだ。

深夜のかくれんぼ

大学時代、俺は友人の佐藤と山奥の廃屋に泊まりがけで肝試しに行った。

その廃屋は「かくれんぼをしてはいけない家」と噂されていた。

理由は不明だったが、俺たちは酔った勢いでふざけてしまった。

「じゃあ、かくれんぼでもやるか!」

佐藤がそう言い出し、俺が鬼になった。

「30数えるぞー!」

目を閉じ、数え始める。

「……28、29、30!」

目を開けると、家の中はしんと静まり返っていた。

俺は一部屋ずつ探していく。

しかし——どこにも佐藤はいなかった。

「もういいかい?」

おかしい。

この家はそう広くないし、見落とすはずがない。

「おい、どこだよ! 出てこい!」

苛立ちながら廊下を歩いていると——

背後から、囁くような声がした。

「……ねえ、もういいかい?」

ゾクリとした。

まるで、誰かが俺にかくれんぼを挑んでいるかのようだった。

だが、後ろを振り向いても誰もいない。

「もういいよ」と返すべきか、悩んだ。

しかし、俺は何も言わずに足を速めた。

その時——

ふと気づいた。

この家、こんなに広かったか?

見つけたのは——

気がつくと、俺は見知らぬ部屋の前に立っていた。

どう考えても、こんな部屋はなかったはずだ。

そして——

その部屋の中に、佐藤が立っていた。

「おい、何してんだよ!」

安堵し、駆け寄ろうとした瞬間——

佐藤がゆっくりと俺の方を向いた。

その顔を見た瞬間、心臓が止まりそうになった。

顔がなかった。

目も鼻も口もない、真っ白な"のっぺらぼう"が、こちらをじっと見ていた。

「もういいかい?」

その"佐藤"が、俺に向かってそう囁いた。

終わらないかくれんぼ

次に気がついたとき、俺は廃屋の外で倒れていた。

佐藤も近くで気を失っていた。

「……おい、大丈夫か?」

揺さぶると、佐藤は目を覚ました。

「……俺、いつの間に外に?」

どうやら、佐藤も廃屋の中で"何か"を見たらしい。

俺たちは無言で車に乗り、その場を後にした。

しかし——

それ以来、夜になると、あの声が聞こえる。

「もういいかい?」

俺は絶対に答えない。

なぜなら——

答えた瞬間、次は俺が"鬼"になるからだ。



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