目次
序章:奇妙な日本人形
古物商を営む 村瀬(むらせ) は、ある日、知人から一本の電話を受けた。
「頼む……この人形を引き取ってくれ……!」
電話の主は、骨董品収集が趣味の 高木(たかぎ) という男だった。
彼が怯えた声で語った内容はこうだ。
——最近、オークションで手に入れた 日本人形 の様子がおかしい。
夜になると 微かに笑い声が聞こえる。
部屋の隅に置いていたはずの人形が、朝になると少しずつ動いている。
最初は気のせいだと思っていたが、ある晩、ふと目を覚ますと——
人形が自分の枕元に立っていた。
「もう耐えられない……!」
高木の必死の頼みに、村瀬はしぶしぶ了承し、人形を店へ持ち帰った。
しかし、それが 取り返しのつかない出来事の始まりだった。
第一章:異変の始まり
村瀬の店に持ち込まれた人形は、黒髪の美しい 着物姿の少女 だった。
ただ、一つだけ不気味な特徴があった。
—— 人形の口元が、微かにほころんでいるように見えるのだ。
「……気味が悪いな。」
そう思いつつも、村瀬は人形を店の奥にしまった。
しかし、その夜——
—— カタッ……カタッ……
何かが床を歩くような音が聞こえた。
「……ネェ……」
寝室の外から、かすれた少女の声がする。
村瀬の背筋に冷たい汗が伝った。
「……まさか……」
恐る恐る部屋のドアを開けると、そこには——
先ほど奥にしまったはずの日本人形が、ポツンと立っていた。
そして、その唇が ゆっくりと動いた。
「……アソボ?」
村瀬は 悲鳴を上げてドアを閉めた。
第二章:怨霊退散の儀式
次の日、村瀬はこの道に詳しい神主の 加藤(かとう) を訪ねた。
「この人形、どう見ても普通じゃない……どうにかできないか?」
加藤は人形を一目見るなり、顔色を変えた。
「……これは、怨霊が宿っている。」
村瀬の血の気が引いた。
「怨霊……?」
加藤によれば、この人形には 恨みを抱いて死んだ少女の魂 が憑いている可能性が高いという。
「すぐに 怨霊退散の儀式 を行う。」
その夜、加藤の神社で人形を祓うことになった。
神主は塩と清めの札を用意し、神棚の前に人形を置いた。
「今から、怨霊を退ける。」
加藤が祝詞を唱え始めたその瞬間——
—— パチンッ!!
突然、神棚のロウソクが吹き消された。
「……ネェ……」
部屋の隅から、先ほどよりも はっきりとした少女の声 が響いた。
その声と同時に、人形の目が カッと見開かれた。
村瀬は震えながら後ずさる。
加藤は動じず、祝詞を強く唱え続けた。
「——怨霊退散!」
清めの札を人形の額に貼り付けた瞬間——
「ギャアアアアア!!」
耳をつんざく悲鳴が響き、人形は 黒い煙を上げて砕け散った。
第三章:消えぬ呪い
儀式の後、村瀬はホッと息をついた。
「……終わったのか?」
加藤は慎重に周囲を見回し、頷いた。
「もう大丈夫だ。怨霊は祓われたはずだ。」
しかし、村瀬には 違和感 が残っていた。
それは—— 人形が最後に見せた表情。
——まるで、微笑んでいたかのような……。
その夜、村瀬は悪夢を見た。
——暗闇の中、誰かが立っている。
「……アソボ?」
ギョロリとした目が、こちらをじっと見つめていた——。
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