目次
友人が手に入れた“呪いの日本人形”
俺の友人、佐々木はオカルトマニアだった。
都市伝説や呪術に異常な興味を持ち、怪しい儀式を試しては「本物の霊を見たい」と本気で言っていた。
そんな佐々木が、ある日ニヤニヤしながら俺に写真を見せてきた。
そこには、古びた日本人形が写っていた。
艶やかな黒髪、白い顔、赤い着物——だが、その目だけが異様だった。
人形なのに、まるで生きているようにこちらを見つめている。
「これ、ヤバいルートで手に入れたんだけどさ……“魍魎召喚”に使う道具らしい」
俺は鳥肌が立った。
「お前、それ、どこで買ったんだよ?」
「ネットの闇市。売り主の話だと、これを使って“ある儀式”をすると、魍魎が呼べるらしい」
俺は直感的に嫌な予感がした。
「やめとけ。そんなの冗談でも試しちゃダメだ」
だが、佐々木は聞かなかった。
「もう決めた。今夜、儀式をやるから」
儀式の夜
その夜、佐々木は山奥の廃神社で魍魎召喚の儀式を決行した。
俺はついていかなかったが、彼はLINEで実況してきた。
佐々木:「神社に着いた」
佐々木:「人形を祭壇に置いた」
佐々木:「儀式を始める」
ここまでは普通だった。
しかし——
佐々木:「……人形の顔が変わった気がする」
佐々木:「今、風が吹いた。誰かいる?」
佐々木:「影が動いてる」
そして、最後のメッセージが届いた。
佐々木:「……コイツ、笑ってる」
それを最後に、彼からの連絡は途絶えた。
監視カメラに映ったもの
翌日、佐々木が戻らないことを心配した俺は、警察と一緒に神社へ向かった。
彼のスマホと日本人形が祭壇の上に残されていたが、肝心の佐々木の姿はどこにもなかった。
警察は、近くの道路に設置された監視カメラの映像を確認した。
そこには、儀式を行う佐々木の姿が映っていた。
だが、問題はその後だった。
午前2時過ぎ、佐々木の背後に——
無数の黒い影が現れた。
影はうごめきながら近づき、彼を取り囲んでいく。
そして——
画面が一瞬、ノイズに包まれた。
次の瞬間、佐々木の姿は消えていた。
残されたのは、日本人形だけ。
その人形の唇が、わずかに吊り上がっていたように見えた。
「返さなければならない」
後日、俺は佐々木の部屋を調べた。
すると、ノートの最後のページに、震えた文字でこう書かれていた。
「召喚したら、必ず返さなければならない。さもなければ——」
その続きを、佐々木は書けなかったらしい。
彼は、“返す”方法を知らなかったのだ。
それ以来、佐々木は行方不明のままだ。
そして——あの日本人形は、警察が回収したはずなのに、回収していない、記録にないと言う。
もしかすると、今も誰かの手元にあるのかもしれない。
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