目次
転校先の学校
俺は 山間の町の中学校 に転校してきた。
都会から引っ越してきたせいか、学校はどこか閉鎖的な雰囲気だった。
「転校生の 佐藤カケル くんだな? じゃあ、あそこの席に座りなさい。」
担任の先生に案内され、俺は教室の 一番後ろの席 に座った。
隣の席の子は 物静かな女子 だった。
長い黒髪に、どこか影のある目をしている。
彼女は俺を見ると、ふっと微笑んだ。
「よろしくね、カケルくん。」
「よろしく。」
彼女の名前は 「ミヤザキ ハルカ」。
少し変わっていたが、俺はすぐに親しくなった。
クラスメイトの忠告
昼休み、クラスの数人が俺のところへ来た。
「…あのさ、佐藤くん。」
「ん?」
「ハルカとは……あんまり仲良くしないほうがいいよ。」
驚いた。いじめられている様子はないのに、なぜか 「関わるな」 というような言い方だった。
「なんで?」
「……言えない。でも、本当にやめたほうがいい。」
「……?」
納得できないまま、俺はハルカと話し続けた。
ハルカの奇妙な言葉
ハルカと話していると、時々 妙な発言 をすることがあった。
「カケルくんって、いいなぁ。」
「え? なんで?」
「……だって、ちゃんとここにいるもん。」
「???」
意味が分からず聞き返そうとすると、彼女はニコッと笑うだけだった。
消えた転校生
ある日、放課後に掃除をしていると、先生が職員室で話しているのが聞こえた。
「……今年も転校生がハルカと仲良くなってしまったな。」
「……でも、すぐに分かるさ。」
「“佐藤くん” も、そろそろじゃないか?」
俺は耳を疑った。
俺の 前にも転校生がいた ということだ。
だが——
転校生は俺の前にはいなかったはず。
「本当は、何人目?」
その日の帰り道、ハルカが話しかけてきた。
「カケルくん、もうすぐ分かるよ。」
「何が?」
ハルカは少し寂しそうな目をして、こう言った。
「……カケルくんは、何人目の転校生だと思う?」
その瞬間、頭の中で何かが弾けたような感覚がした。
思い出した。
この学校に来たのは、初めてじゃない。
——いや、そもそも俺は、何回「転校」してきた?
「……俺は……何人目……?」
すると、ハルカが小さく呟いた。
「大丈夫。カケルくんのことは、私が覚えてるから。」
その瞬間、視界が暗転した。
そして、また転校する
目が覚めると、俺は知らない教室にいた。
「佐藤カケルくんだな? じゃあ、あそこの席に座りなさい。」
先生がそう言う。
俺は、訳も分からず指定された席に座る。
隣の席の子を見ると——
そこには、あの ハルカ がいた。
彼女はふっと微笑んだ。
「よろしくね、カケルくん。」
俺は震えた。
——俺は、また転校してきたのか?
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