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【恐怖体験】「井戸の底から聞こえる声」──覗いたら、終わり 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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村の古井戸

俺の祖父の家は、山奥の小さな村にある。
そこには、「決して覗いてはいけない井戸」があった。

祖父は小さい頃から俺に何度も言っていた。

「あの井戸には近づくな。昔から“何か”がいると言われている」

村の人々も、その井戸を避けるように暮らしていた。
周りにはボロボロの柵があるだけで、今にも崩れそうだった。

俺は幼い頃から気になっていたが、なんとなく怖くて近づけなかった。

……あの日までは。

井戸の底の「何か」

大学生になった俺は、夏休みに久しぶりに祖父の家を訪れた。

村を歩いていると、同じく帰省していた幼馴染の翔太と出会った。

翔太は昔から怖いもの知らずで、俺が井戸の話をすると、こう言った。

「そんなの迷信だろ? ちょっと覗いてみようぜ」

俺は反対したが、翔太は聞かなかった。

夕方、二人でこっそりと井戸に向かった。
近づくと、井戸の底は真っ暗で、何も見えない。

翔太はスマホのライトを使いながら、身を乗り出して覗いた。

その瞬間——

「おーい……」

井戸の底から、かすれた声が聞こえた。

翔太は驚いてスマホを落としそうになった。

「……誰か、いるのか?」

俺もゾッとした。

祖父が言っていた“何かがいる”という話は、本当だったのか?

翔太は怯えながら、もう一度井戸を覗いた。

その時だった。

ザザザザ……

何かが、井戸の壁を這い上がってくる音がした。

翔太が顔を上げた瞬間——

「見つけた……」

真っ黒な手が、井戸の中から翔太の顔を掴んだ。

消えた翔太

俺は恐怖で足がすくんだ。

翔太は叫び声を上げ、何かに引きずり込まれそうになっていた。

俺は慌てて翔太の腕を掴んだ。
必死に引っ張ったが、異様なほどの力で引きずり込まれていく。

翔太の顔が、一瞬こちらを向いた。

その目は焦点が合っていなかった。

「助けてくれ……」

俺は力を振り絞り、翔太を引っ張った——

だが、次の瞬間、井戸の中へと消えていった。

俺は放心状態で、その場に座り込んだ。

井戸の中は、もう静まり返っていた。

井戸は、最初から空だった

慌てて村人を呼び、警察にも通報した。

だが——

井戸の底には、何もなかった。

翔太の遺体はおろか、痕跡すらない。
警察は「井戸には最初から何もなかった」と言った。

しかし、俺は確かに見た。

翔太は、“何か”に引きずり込まれたのだ。

村の長老が、俺の肩をポンと叩き、静かに言った。

「……井戸が“連れて行った”んだよ」

そして続けた。

「井戸を覗くと、“見つかる”。見つかったら、連れて行かれるんだ」

それ以来、翔太は行方不明のままだ。

あの井戸は今も村にある。
だが、俺はもう二度と近づくことはない。

……井戸の底から、誰かが覗いている気がするから。



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