目次
序章:届いた招待状
社会人になって数年が経ったある日、佐々木悠斗(ささき・ゆうと) のもとに、一通の封書が届いた。
差出人の名前を見ると、そこには 「○○中学校 同窓会実行委員会」 と書かれていた。
「……同窓会か。」
卒業以来、連絡を取っていなかった懐かしい名前が頭をよぎる。
封を開けると、中には招待状と日時、会場の情報が書かれていた。
しかし、妙な点があった。
開催場所が、すでに廃校になった母校の体育館だったのだ。
「……え?」
確か、母校は数年前に統廃合され、今は使われていないはずだ。
不審に思いながらも、懐かしさに惹かれた悠斗は、参加することにした。
第一章:違和感だらけの同窓会
当日、悠斗が校門をくぐると、すでに数人の同級生たちが集まっていた。
「久しぶり!」
「悠斗じゃん! 元気にしてたか?」
懐かしい顔ぶれに安堵しながらも、どこか 違和感 を覚えた。
—— 人数が少ない。
招待状には 「卒業生全員が対象」 と書かれていたはずなのに、集まっているのは10人ほど。
それに、皆どこか ぎこちない笑顔 を浮かべている。
「これ、企画したの誰?」
悠斗が尋ねると、同級生の 高橋(たかはし) が答えた。
「いや……それが、よく分からないんだよ。」
「え?」
「招待状は届いたけど、幹事が誰なのか、誰も知らなくて……。」
「そんなことあるか?」
悠斗は不安になりながらも、せっかくだからと体育館の中へ入ることにした。
第二章:欠席者のリスト
体育館には、パイプ椅子と机が並び、簡単な飲み物と食べ物が用意されていた。
黒板には 「○○中学校 同窓会」 の文字。
悠斗はふと、机の上に置かれた 出席者リスト に目を留めた。
—— そこには、出席者の名前と、欠席者の名前が書かれていた。
そして、欠席者のリストの横には、赤いペンで 「×」 がつけられていた。
「……何だこれ?」
リストを眺めていると、あることに気づいた。
欠席者のリストには、「すでに亡くなった同級生の名前」が含まれていたのだ。
そして、さらにおかしなことに——
—— 今ここにいるはずの同級生の名前も、欠席者リストに入っていた。
「……え?」
その瞬間——
バチンッ!!
体育館の照明が、一瞬にして消えた。
第三章:増えていく影
「停電か!?」
「スマホのライトつけろ!」
ざわつく同級生たち。
悠斗はスマホを取り出し、周囲を照らした。
すると、体育館の奥に、もう一つの影がある のを見つけた。
「……誰かいるのか?」
影はじっと立ったまま、こちらを見ている。
次の瞬間——
—— カタカタカタ……
黒板のチョークが 勝手に動き出した。
そして、そこに書かれた文字は——
「出席者を増やす」
「……増やす?」
悠斗がそう呟いた瞬間、誰かが叫んだ。
「高橋がいない!!」
「……は?」
さっきまで隣にいた高橋が、いつの間にか姿を消していた。
さらに、机の上の出席者リストを見ると——
さっきまで 「出席」に丸がついていた高橋の名前に、赤い「×」がつけられていた。
「ふざけんな! どこにいるんだよ!!」
「ここに……いるよ。」
背後から、高橋の声がした。
振り向いた瞬間——
そこには、真っ黒な影になった高橋 が立っていた。
「次は、お前の番だよ、悠斗……」
エピローグ:消えた同窓会
悠斗は気を失い、気がつくと、朝になっていた。
体育館はもぬけの殻で、昨日までの同窓会の痕跡は 何一つ残っていなかった。
慌ててスマホを確認するが、同窓会に関する連絡は何もない。
さらに、他の同級生たちに連絡を取ったが——
「……同窓会? 何のこと?」
誰も、昨日のことを覚えていなかった。
そして、気になってネットで ○○中学校の卒業生リスト を検索すると——
—— 「高橋」という名前の同級生は、最初から存在していなかった。
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