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廃井戸にまつわる噂──覗いたら、戻れない 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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廃井戸の噂

俺の地元には、決して覗いてはいけない廃井戸 の噂がある。

村の外れにある古い神社の裏手に、使われなくなった井戸がある。

子供の頃から大人たちに 「あの井戸には近づくな」 と言われて育った。

その理由を聞くと、みんな口を濁す。

ただ、一つだけ確かなことがある。

あの井戸を覗いた人は、誰も戻ってこない。

井戸を覗いた友人

俺の友人 タカシ は、その噂をまったく信じていなかった。

「バカバカしい。井戸を覗くだけで消えるわけねぇだろ?」

そう言って、ある夜、俺ともう一人の友人ユウスケを誘い、実際に井戸を覗いて確かめよう ということになった。

真夜中、懐中電灯を片手に、俺たちは問題の廃井戸に向かった。

井戸の中

神社の裏手にある井戸は、想像以上に古びていた。

木製の蓋が半壊し、井戸の縁には苔がびっしり生えている。

「これ、結構深そうだな……」

俺がそう言うと、タカシは笑いながら言った。

「じゃあ、試してみようぜ。」

そう言って、小石を拾い、井戸の中に投げ入れた。

……ポチャン。

静寂の中で、小さな水音が響いた。

「水、あるんだな。」

タカシはそう言いながら、懐中電灯を井戸に向けた。

そして——

覗き込んだ。

俺とユウスケは息をのんだ。

だが、何も起こらない。

タカシは拍子抜けしたように振り向き、

「ほら、何もねぇじゃん。」

と笑った。

俺たちはホッとし、そのまま帰ることにした。

変わっていくタカシ

それから数日後、タカシの様子がおかしくなった。

「……夜、誰かに呼ばれてる気がするんだ。」

「……何言ってんだよ。」

「耳元でさ、『おいで、おいで』 って……」

タカシは日に日に顔色が悪くなり、ついには学校を休むようになった。

心配になって家を訪ねたが、彼の母親は困惑した顔で言った。

「タカシ? ここにはいないわよ。」

「え……?」

「だって、タカシなんて子、最初からいなかったじゃない。」

頭が真っ白になった。

「そ、そんなはずない! 俺とユウスケと、三人で井戸に行ったんだ!」

だが、ユウスケに電話をかけると、彼は不思議そうに言った。

「……何言ってるんだ? 井戸に行ったのは、お前と俺の二人だろ?」

「タカシは??」

「……誰、それ?」

俺は絶叫しそうになった。

タカシの存在が——消えている。

井戸の底から

混乱しながらも、俺はもう一度、井戸のある神社へ向かった。

井戸の前に立ち、蓋の隙間から中を覗き込む。

暗闇が広がるだけで、何も見えない。

だが、その時——

「おいで……おいで……」

耳元で、タカシの声がした。

「お前……いるのか?」

俺は恐る恐る井戸を覗き込んだ。

暗闇の奥、静かな水面に、タカシの顔が浮かんでいた。

——いや。

それはタカシの顔をした “何か” だった。

歪んだ笑顔で、タカシの声を使いながら、

「お前も、こっちへおいで。」

と、俺を誘っていた。

俺は、全力で逃げた。

その後

——それ以来、俺はあの井戸には近づいていない。

だが、時々夢にタカシが出てくる。

水の中から、「おいで……おいで……」 と手を伸ばしている。

……もし俺が、その手を取ったら——



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