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消える交差点——渡った先には誰もいない 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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大学帰りの深夜、俺はいつもの道を歩いていた。

自宅へ帰るには、必ずある交差点を通らなければならない。

特に何の変哲もない交差点——だったはずなのに、その日を境に、そこを渡るのが怖くなった。

なぜなら、俺は"見てはいけないもの"を見てしまったのかもしれない——。

違和感

それは、友人と飲んだ帰りだった。

酔いを覚ましながら、ふらふらと歩いていた俺は、例の交差点に差し掛かった。

深夜2時を過ぎていたが、なぜか交差点の向こう側に数人の人影が見えた。

「こんな時間に、珍しいな……」

ぼんやりとそう思いながら、信号が青になるのを待つ。

やがて、青信号に変わり、俺は横断歩道を渡り始めた。

しかし——

渡り終えて振り返ると、向こう側にいたはずの人影が消えていた。

「……え?」

数秒前まで、確かにそこにいた。

なのに、誰もいない。

その時は、気のせいだと思って家に帰った。

だが、翌日から、同じ交差点で奇妙な現象が続くようになった。

消える人々

次の日、俺はバイト帰りにまた同じ交差点を通った。

そして、昨日と同じように、向こう側に人影を見た。

「またか……」

今度は、しっかりと確認しようと思い、人影に意識を向ける。

サラリーマン風の男、制服姿の女子高生、買い物帰りの主婦らしき人。

どれも、普通の人に見えた。

だが、青信号になり、横断歩道を渡る。

向こう岸にたどり着き、振り返ると——

やはり、誰もいない。

「おかしい……絶対にいたはずなのに」

不気味な違和感を抱えながらも、その日は帰宅した。

だが、さらに奇妙なことが起こったのは、その翌日だった。

交差点の"向こう側"

その日も、俺は交差点を渡った。

しかし、渡り終えた瞬間、背後で——

「おい、そこにいるのか?」

低い声が聞こえた。

ゾクリとした。

俺の真後ろに、誰かが立っている気配がする。

だが、怖くて振り向けない。

「……戻れ」

耳元で囁かれた瞬間、心臓が凍るような感覚に襲われた。

そして——

気がついたら、俺は交差点の手前に立っていた。

渡ったはずの場所に戻っていたのだ。

「……なんなんだよ、これ」

汗がにじむ額を拭いながら、俺は後ずさった。

そして、その時気づいた。

向こう岸に、俺と同じ服を着た"俺"が立っている。

そいつは、にやりと笑った。

「次は、お前がこっちに来る番だ」

その瞬間、信号が赤に変わった。

"もう渡るな"と言われているような気がして——俺は全力で、その場を離れた。

それ以来

俺はその交差点を通るのをやめた。

遠回りになっても、別の道を選ぶようになった。

しかし——

ある日、駅のホームで電車を待っていると、向こう側のホームに"俺"が立っていた。

俺と同じ服、俺と同じ顔。

そして、そいつはゆっくりと手を挙げて——

俺に向かって、招いた。



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