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スマホで幽霊の声が聞けるおまじない──消せない通話記録 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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序章──噂のおまじない

大学生の坂本優也は、オカルト好きの友人から奇妙な噂を聞いた。

「スマホを使って幽霊の声を聞く方法があるらしい」

やり方は簡単だという。

夜の12時ちょうどに、スマホの通話アプリを開く。
「#0000」とダイヤルし、発信する。
10秒間待つ。
もし幽霊が話したいことがあるなら、電話に応じる。
「冗談だろ?」

優也は笑ったが、友人は神妙な顔で言った。

「実際にやったやつがいる。でも……そいつ、しばらくして行方不明になった」

「……は?」

「最後に残ってたのは、“通話履歴に消せない番号が残ってた”って話だけだ」

優也は半信半疑だったが、その夜、面白半分で試してみることにした。

第一章──誰かが応答した

夜中の12時ちょうど。

ベッドに横になりながら、優也はスマホで「#0000」とダイヤルし、発信ボタンを押した。

「ツー……ツー……ツー……」

しばらく無音が続いた後、不意にカチッという音が鳴った。

そして、低くかすれた声が聞こえた。

「……聞こえる?」

心臓が跳ね上がる。

「え……?」

誰かが電話の向こうにいる。

それも、人間ではない“何か”が。

優也はすぐに通話を切ろうとした。

しかし、画面の「通話終了」ボタンが反応しない。

「ねぇ、聞こえる……?」

その声が、耳元で囁くように響いた。

恐怖に駆られ、スマホを放り投げた。

しかし、スピーカーからはまだ声が流れ続けていた。

「あなたのこと、ずっと見てたよ……」

第二章──消せない履歴

翌朝、優也は震えながらスマホを確認した。

通話履歴を開くと、そこには確かに「#0000」への発信記録が残っていた。

しかし──それだけではなかった。

「知らない番号からの着信履歴」が残っている。

「……誰だよ、これ」

番号は、000-0000-0000。

気味が悪くなり、削除しようとしたが、消えない。

仕方なくスマホを再起動すると、今度は通知が届いた。

──「新しいボイスメッセージが届いています」

恐る恐る再生すると、昨夜と同じかすれた声が聞こえた。

「もう逃げられないよ」

第三章──鏡の中の影

優也は恐怖に駆られ、友人に相談した。

「冗談抜きでヤバい……マジで幽霊と繋がったかもしれない」

友人は顔をこわばらせ、言った。

「……お前、最近鏡見たか?」

「え?」

「そのおまじない、成功すると鏡の中に“そいつ”が映るらしい」

優也は慌てて部屋の鏡を確認した。

そこには──自分の背後に、黒い影が立っていた。

影はゆっくりと顔をこちらに向けた。

そして、口を動かした。

「今度は、こっちからかけるね」

スマホが震え、画面を見ると──

「000-0000-0000 から着信中」

優也の指が震えた。

通話ボタンが、勝手に押された。

そして、耳元に囁きが響いた。

「もう、切れないよ……」



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