怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

教室の隅のおまじない 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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「ねえ、知ってる? 教室の隅でやると、本当に願いが叶うおまじない」

そう言い出したのは、クラスでおまじないに詳しい彩花(あやか)だった。

昼休み、俺たちは教室の片隅に集まった。

「でも、変なことはしないでよ。このおまじない、ちゃんと最後までやらないとダメだから」

彩花が真剣な顔で言うので、俺ともう一人の友達・大輝(だいき)は少し緊張した。

「どんなおまじないなの?」

「"教室の隅にいる誰か"に願いごとをするの」

彩花が指さしたのは、教室の一番奥——普段誰も座らない席の隅だった。

そこに向かって、ノートに願いを書き、3回唱えると叶うらしい。

「ただし、途中でやめたり、誰かに見られたらダメなんだって」

「まあ、やってみるか」

俺たちは軽い気持ちで、そのおまじないを試してみることにした。

おまじないを試す

放課後、教室に残った俺たちは、彩花の指示通りにノートを開いた。

「何をお願いしようかな……」

大輝は「明日の体育を休みにしてほしい」と書き、俺は「テストの点が上がりますように」と書いた。

彩花は何かを書いた後、すぐにノートを閉じた。

「じゃあ、これを教室の隅に置いて、願いを3回唱えるの」

俺たちはノートを隅の机の上に置き、声をそろえて唱えた。

「願いを叶えてください、願いを叶えてください、願いを叶えてください」

数秒間、静寂が教室に広がる。

「……何も起こらないじゃん」

大輝が笑いながらノートを取りに行こうとした、その瞬間——

バタンッ!!

突然、廊下の窓が大きな音を立てて閉まった。

「うわっ!」

驚いて振り向くと、教室の隅に置いたノートが開いていた。

しかも——

俺たちの書いた文字の下に、新しい文字が追加されていた。

『願いは叶えました。次はあなたの番です』

願いは叶うが……

翌日。

「やばい、本当に体育中止になったぞ!」

大輝が興奮した様子で言った。

確かに、天気は快晴なのに、急に体育の先生が休んで授業が自習になったらしい。

俺の願いも叶っていた。

テストの点数が、明らかに予想より10点以上高かった。

「……これ、本物のおまじないなのか?」

そう思っていた時——

彩花の様子がおかしいことに気がついた。

「彩花、大丈夫?」

「……うん。でも、変な夢を見たの」

「どんな?」

「知らない人に、"次の願いを叶えて"って言われたの」

「……それ、どういう意味だ?」

俺たちは不安になり、急いで昨日のノートを確認した。

しかし——

ノートが消えていた。

「え? 昨日、教室の隅に置いてたよな?」

俺たちは焦りながら机の下やロッカーの中を探したが、ノートはどこにもなかった。

「……誰かが持っていった?」

そう思ったが、その日の夕方——俺は信じられないものを見つけた。

消えたノートの行方

放課後、帰り際にふと黒板の下のスペースを覗いた。

そこには、昨日使ったノートが落ちていた。

「なんでこんなところに……?」

ノートを拾い上げ、開いた瞬間——心臓が止まりそうになった。

昨日の願いごとが書かれたページの隣に、新しいページが追加されていた。

そこには、黒いインクでこう書かれていた。

「次の願いを叶える番が来ました。
あなたは誰の願いを叶えますか?」」

そして、一番下には——

彩花の名前が書かれていた。

「……え?」

俺は、急いで彩花のもとへ向かった。

しかし、彩花は学校にいなかった。

家に電話しても、彩花の母親は「今日の朝、学校に行ったはずなのに、帰ってこない」と言う。

そして——

次の日から、彩花の机がなくなっていた。

誰に聞いても、「彩花? そんな子いたっけ?」という反応だった。

まるで最初から存在しなかったかのように——。

最後のページ

それ以来、俺たちは二度と"あのおまじない"をしなかった。

だが、数日後。

俺の机の引き出しの奥から、あのノートが出てきた。

最後のページには、こう書かれていた。

「あなたの願いを叶えました。次は、あなたが願いを叶えてください」

その下に俺の名前が書かれていた。

そして、後ろの席で、誰かが息をする気配がした。

俺は怖くて、振り向けなかった。



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