目次
消えた友だち
中学3年の夏、俺の親友 ユウタ が突然 行方不明 になった。
前日まで普通に学校に来ていたのに、ある日を境にパタリと姿を消した。
警察の捜索も行われたが、結局何の手がかりもなく、ユウタは 失踪扱い となった。
「……あいつ、どこ行ったんだよ。」
クラスのみんなも最初は騒いでいたが、次第にユウタのことを口にする者は減っていった。
だけど、俺だけは諦められなかった。
何かがおかしい。
そう感じていた。
ユウタの日記
数週間後、ユウタの母親から連絡があった。
「……これ、ユウタの部屋にあったの。」
差し出されたのは、ユウタのノート。
表紙には 「日記」 とだけ書かれていた。
「……読んでいいんですか?」
「手がかりになるかもしれないから……」
俺は躊躇しながらも、その日記を開いた。
最初の数ページは普通の内容だった。
「今日は部活で疲れた。」
「数学のテスト、最悪。」
だが、あるページから 急に様子がおかしくなっていた。
日記の異変
《7月14日》
最近、夜中に誰かの声がする。
部屋の窓の外から、「ユウタくん、ユウタくん」って……。
《7月16日》
おかしい。夜中の声が近づいてきている。
昨日は耳元で「開けて」って囁かれた。
《7月18日》
部屋に入ってきた。
夜中、目を開けたらベッドの横に立ってた。
顔は見えなかったけど、誰かがいる。
俺はゾッとした。
ユウタは何かに つきまとわれていた のか?
だが、次のページから日記の雰囲気が一変した。
誰が書いているのか
《7月20日》
ユウタくんは大丈夫。
もうすぐ連れていける。
「……は?」
明らかに筆跡が変わっている。
ユウタのいつもの字ではなく、子どもが書いたような幼い文字。
しかも、「ユウタくん」と 他人称で書かれているのが異様だった。
次のページを開いた。
《7月21日》
ユウタくんはもうすぐ迎えにくるよ。
あと少し、あと少し。
そのページの隅には、真っ黒なインクで手形が押されていた。
「……っ!!」
俺は思わず日記を閉じた。
……この日記、ユウタが書いたんじゃない。
途中からは別の何かが書いている。
そして、ユウタは 連れていかれた。
最後のページ
震える手で、俺は最後のページを開いた。
そこには、こう書かれていた。
《7月23日》
ユウタくん、いっしょにいこう。
きみのともだちも、つれてきてね。
「……ともだち?」
その瞬間、俺は気づいた。
これを書いている何かは、次のターゲットを俺に定めている。
……俺を、ユウタと同じ場所へ連れていこうとしている。
恐怖で日記を閉じ、その場を離れようとした。
だが、背後で——
「ユウタくんのともだち……」
耳元で、子どもの声が囁いた。
振り返ると、そこには ユウタと同じ服を着た何かが立っていた。
ただし、顔は真っ黒な闇に覆われていた。
「……ユウタ……?」
「つれていくね。」
——その瞬間、視界が暗転した。
そして、もうひとつの日記
目を覚ますと、俺は自分の部屋にいた。
……夢、だったのか?
だが、机の上に 見覚えのあるノート があった。
ユウタの日記だった。
開くと、最後のページに新たな文章が追加されていた。
《7月25日》
次は、カズキくんを連れていきます。
(※カズキは俺の名前だ。)
ノートの下には、俺の手形が真っ黒なインクで押されていた。
その瞬間、スマホの通知音が鳴った。
——「新着メッセージ:ユウタ」
本文には、こう書かれていた。
「次は、お前の番だよ。」
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