目次
不思議な安心感
私は小さい頃から、「誰かに守られている」と感じることがよくあった。
例えば——
・夜中にトイレに行くとき、必ず誰かが後ろをついてきているような感覚。
・階段から足を滑らせたとき、不思議な力が働いたかのようにバランスを取り戻す。
・知らない場所でも迷子にならず、なんとなく「こっちに行けば大丈夫」という直感が働く。
特に、ピンチの時ほど、その感覚は強くなるのだ。
最初は「気のせい」だと思っていたけれど、ある日、決定的な出来事が起こった。
あの日、私を引き止めた何か
中学2年のある日、友達の家からの帰り道だった。
私は駅前の大きな交差点を渡ろうとしていた。
横断歩道の信号は青。
「急がなきゃ」
そう思って小走りで渡ろうとした瞬間——
「……待って!」
耳元で、はっきりと誰かの声がした。
驚いて足を止めた直後、
ビューン!!!
トラックが信号無視で猛スピードのまま横断歩道を突っ切った。
もし私がそのまま渡っていたら——確実に轢かれていた。
「……今の声、誰?」
周りを見渡したけれど、誰もいない。
でも、確かに聞こえた。
「待って!」
私はしばらく動けず、ただ放心していた。
その時、背後からふわっと誰かが私の背中を撫でたような感覚があった。
涙が出そうになるほど、強い安心感に包まれた。
「……ありがとう」
誰に向けて言ったのかわからなかったけれど、自然と口からそうこぼれた。
家族も気づいていた「何か」
その夜、家に帰ってから母に何気なくその話をした。
「なんかさ、今日すごいことがあったんだよね……」
すると、母が不思議そうな顔をしつつ。
「……やっぱりね」
「え?」
母は少し言いづらそうにしながら、こう言った。
「実はあんたが生まれたとき、おばあちゃんが言ってたのよ」
「私が?」
「この子には、きっと“見えない誰か”がついてるから、大丈夫だよって」
私は驚いた。
「守ってくれてるってこと?」
「うん……。おばあちゃん曰く、あんたの生まれる前に亡くなった親族か、それとも縁の深い誰かかもしれないって」
母の言葉に、私は背筋がぞくっとした。
——あの時、私を呼び止めた声。
——事故に遭いそうになるたび、感じる「誰かが引き戻してくれる感覚」。
本当に、誰かが私を守ってくれているのかもしれない。
いつも見守っている存在
それからも、何度か「守られている」と感じる出来事は続いた。
・夜遅くの帰り道、怖い思いをしたときも、必ず誰かが後ろをついてきているような感覚。
・電車で居眠りしていて、降りる駅で不思議と目が覚める。
・鍵をかけ忘れた日に限って、絶対に家を出る前に何かが引き止めるような出来事が起きる。
もしかすると、本当に私は誰かに守られているのかもしれない。
それが誰なのかは、今もわからない。
でも、ふとした瞬間に背中を押してくれる温かい存在を感じるたび、私は小さく呟くことにしている。
「……ありがとう」
きっと、その存在は今も私のそばにいて、変わらず守ってくれているのだろう。
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