目次
序章:取り残された家
「マジかよ……ここ、ヤバすぎるって。」
大学生の 西山翔(にしやま・しょう) は、友人の 岡田(おかだ) と心霊スポット巡りに来ていた。
場所は、郊外の山奥にある廃墟。
ネットで話題になっている場所で、特徴的なのは——
「異様なほど生活感のある廃墟」
という点だった。
「普通、廃墟ってボロボロだろ? でもここは違うらしいんだよ。」
岡田は興奮気味に言った。
「どういうこと?」
「中に家具とか食器がそのまま残ってて、まるで今でも人が住んでるみたいなんだって。」
「……気味悪いな。」
嫌な予感がしつつも、2人は廃墟の中へ入ることにした。
第一章:人の気配
廃墟の外観は、予想以上に古かった。
しかし——
玄関の前には、最近置かれたような靴が並んでいる。
「……誰かいるのか?」
「いや、そんなはずないだろ。廃墟だぜ?」
恐る恐る玄関を開けると、室内はまるで人が住んでいるかのような状態だった。
・玄関の靴箱には、整然と並んだ靴。
・リビングには、食器や家具が整っている。
・テーブルの上には、まだ新しい食べかけのご飯があった。
「……やばくね?」
「これ、誰か住んでるんじゃないの?」
岡田が震える声で言う。
「でも電気もガスも通ってないはずだろ?」
その時——
トイレの方から、ゆっくりとドアが開いた音がした。
「……え?」
2人は無意識に顔を見合わせた。
「今、ドア開いたよな?」
「……誰かいる。」
しかし、家の中は静まり返っている。
恐る恐るトイレを覗くと——
誰もいなかった。
だが、トイレの床には、まだ新しい水滴が落ちていた。
「……誰か、さっきまでここにいた?」
第二章:生活感の正体
「もう帰ろうぜ……これ、やばいよ。」
翔がそう言いかけた瞬間、奥の寝室から異常な気配を感じた。
「……なんか、音しなかったか?」
「マジでやめろって。」
しかし、好奇心が勝り、2人は寝室へ向かった。
中には——
整えられた布団と、枕元に置かれたぬいぐるみ。
さらに驚くことに、ぬいぐるみの上にはホコリがなかった。
「……昨日まで誰か寝てたみたいだな。」
「……おかしいだろ、マジで誰か住んでんじゃねえの?」
翔が布団をめくると、そこには——
無数の髪の毛が散らばっていた。
「……うわぁぁ!!」
翔が悲鳴を上げ、布団を投げ捨てた。
その瞬間、リビングからガタッ……ガタッ……と、何かを引きずる音が聞こえた。
「誰かいる……誰かいる!!」
2人は恐怖に駆られ、急いで玄関に向かった。
しかし、玄関の靴が消えていることに気づいた。
「……靴、なくなってる。」
「やばい、やばい、やばい!!」
翔と岡田はパニック状態で外へ飛び出した。
しかし——
廃墟の窓から、誰かがこちらを見ていた。
顔は見えない。
ただ、明らかに人の気配だけがあった。
第三章:家に帰ってから
なんとか廃墟を離れ、コンビニで落ち着いた2人。
「……ヤバかったな、マジで。」
「やばいってレベルじゃねえだろ……何だよあれ。」
恐怖を紛らわすため、2人はネットであの廃墟について再度調べることにした。
すると、ある情報が目に入った。
【生活感のある廃墟】
・10年前、家族4人が無理心中した住宅。
・事件後、なぜか家の中の生活感だけがそのまま保たれている。
・住人が亡くなっているにもかかわらず、誰かが現在も暮らしている形跡が残っている。
・特に食事、寝具、洗面所などが毎日使われた形跡が確認されている。
「……誰が使ってんだよ……。」
さらにスクロールを続けると、ある書き込みが目に入った。
【注意】
この廃墟の生活感は、亡くなった家族が作っているとされています。
家族は今も「ここで生きている」と信じ続け、生活を続けています。
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