怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

墓地の跡地に建つ家 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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「この家、まだ入居者募集してるんですか?」

転職を機に引っ越しを考えていた俺は、不動産サイトで見つけた妙に安い一戸建てに目を付けた。

築10年、3LDK、庭付き。

家賃は相場より5万円以上安い。

「ええ、まだ募集しています。ただ……少し特殊な物件なんですが」

不動産会社の担当者は、何か言いづらそうに口を濁した。

「……何かあったんですか?」

「ええ、実は……その土地、以前は墓地だったんです」

「墓地?」

「ええ、数十年前まで個人所有の墓地があったそうです。ですが、土地を売却する際に墓石はすべて撤去され、遺骨も別の場所に移されたと聞いています」

「じゃあ、別に問題ないんじゃないですか?」

「そうですね……ただ、入居した方が皆さん長く続かないというのがありまして……」

「……なんでですか?」

「皆さん口をそろえて、『何かがいる』とおっしゃるんです」

不動産会社はそれ以上の説明を避けたが、俺は家賃の安さと間取りの良さに惹かれて契約を決めた。

今考えれば、あの時やめておくべきだった。

入居初日

引っ越し初日、俺は家の中を見て回った。

特に違和感はない。

リビングは広く、寝室も快適そうだ。

「墓地の跡とか気にしすぎだよな」

そう思いながら、夕方になって庭を見に行った。

すると、庭の隅に異様に土が柔らかい場所があることに気づいた。

まるで最近になって掘り返されたような感触。

「……ここだけ地盤緩いな」

気になったが、特に深く考えず、その日は早めに眠ることにした。

だが、その夜から異変が始まった。

誰かの気配

夜中の2時過ぎ、ふと目が覚めた。

理由はわからないが、誰かの気配を感じたのだ。

「……?」

寝室のドアを開け、廊下を確認する。

誰もいない。

リビングも玄関も、すべて無人。

「……気のせいか」

そう思い、もう一度布団に入ろうとした瞬間——

「カサ……カサ……」

庭の方から、小さく何かを引きずる音が聞こえた。

「……猫か?」

そう思い、カーテンを少しだけ開けて庭を確認する。

だが、そこには何もいない。

……いや、よく見ると庭の隅、あの柔らかい土の上だけが不自然に凹んでいるように見えた。

まるで、何かが地面から出てきたような——

「……気のせいだ」

そう言い聞かせ、無理やり眠りについた。

掘り返された跡

翌朝、外に出て庭を確認すると、昨日よりさらに土が盛り上がっていた。

「え……?」

まるで誰かが中から土を押し上げたかのような状態。

「まさか、動物の死骸でもあるのか……?」

気味が悪くなり、スコップを使って土を掘り返してみた。

すると——

土の中から、古い墓石が出てきた。

「南無阿弥陀仏……〇〇家之墓」

「……墓石?」

混乱しながらさらに掘り進めると、今度は白骨化した人骨の一部が出てきた。

「うわっ……!!」

慌てて土を戻し、手を洗い、すぐに不動産屋に連絡した。

「すみません、庭から……墓石と人骨が出てきたんですけど」

しかし、担当者の反応は妙に冷静だった。

「ああ……まだ残っていましたか」

「……は?」

「申し訳ありません。実は、過去に入居された方からも同じ報告がありまして」

「ちょっと待ってください。じゃあ、ここって——」

「ええ……撤去したはずの遺骨が、まだ地中に残っている可能性があるんです」

「それを先に言えよ!!」

「ただ……妙なのはその骨が毎回掘り返されることなんです」

「……どういうことですか?」

「最初に確認されたのは5年前。その時も庭から人骨と墓石が見つかりました。ですが、翌日にはまた別の骨が掘り返される。それが何度も繰り返されているんです」

「……つまり?」

「誰かが、地中から出てこようとしているのかもしれません」

その言葉を最後に、俺は電話を切った。

最期の夜

その夜。

俺は絶対に庭を見ないよう、カーテンを閉めたまま寝た。

だが、深夜3時。

「ガリ……ガリ……ガリ……」

何かが窓ガラスを引っ掻く音がする。

「……無視しろ、無視しろ……」

布団をかぶり、必死に眠ろうとする。

しかし、音は次第に近づく。

「ガリ……ガリ……ガリ……」

「……開けて……」

耳元で、明らかに人の声が聞こえた瞬間、俺は限界だった。

部屋を飛び出し、車に乗り、そのまま家を出た。

翌日、不動産屋に契約解除を申し入れた。



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