怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

守られている感覚——その正体は 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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小学生の頃から、俺には不思議な感覚があった。

例えば——

車にひかれそうになった瞬間に転んで助かったり。
不審者に後をつけられた時、急に誰かの視線を感じて不審者が逃げたり。
自転車で事故を起こしかけた時、ハンドルが勝手に戻ったような感覚があったり。

「……なんか、俺って運がいいんだよな」

そう軽く考えていたが、ずっと心のどこかで感じていた。

「何かが俺を守っている」——そんな感覚を。

けれど、大学生になったある日。

俺はその「守っているもの」の正体を知ってしまった。

深夜の帰り道

その日、俺はバイト終わりで夜遅くなり、帰り道を歩いていた。

夜中の12時を回り、人気のない住宅街。

街灯だけが薄暗く灯っている中、なんとなく後ろから視線を感じる。

「……またかよ」

小さい頃から後ろに誰かいるような感覚はよくあった。

でも、いつも何事もなく終わるので慣れてしまっていた。

俺を守ってくれている"何か"が付いてきているんだろう。

そう思いながら、スマホをいじりながら帰っていた。

そして、ふとスマホの画面に反射した背後の様子を見た瞬間——

ゾクリと全身が凍った。

「あれ……誰か、いる?」

反射したもの

スマホ画面に映ったのは、俺のすぐ後ろ。

街灯の下、俺から1メートルほどの距離に——

顔のない人影が立っていた。

「……え?」

慌てて振り返ったが、誰もいない。

「……見間違い?」

そう思いながら歩き続ける。

しかし、スマホの画面を見ると、やはり後ろに誰か立っている。

「なあ……これ、守ってくれてるやつ……だよな?」

自分にそう言い聞かせながら、恐る恐る家に帰った。

違和感

その夜。

ベッドに入って眠ろうとした時、違和感があった。

「……何か、近い」

今まで"守られている感覚"は、どこか少し離れた場所からだった。

けれど、その夜だけは違う。

耳元に——

「……おかえり」

はっきりと、そう聞こえた。

「っ!!」

飛び起きて電気をつけた。

誰もいない。

ただ、押し入れの扉が5センチほど開いていた。

「……開けたっけ?」

怖くなり、すぐに押し入れを閉めた。

「……気のせいだ。今までも助けてもらってたんだから、悪いものじゃないはずだ」

そう自分に言い聞かせ、無理やり眠った。

誰が守っているのか

翌日。

俺は少し気になり、実家の母に電話をした。

「なあ、小さい頃から俺ってよく助かること多かったじゃん?」

「……ああ、そうね。事故に遭いかけても無事だったりね」

「それってさ、なんか俺を守ってる存在とか、そういう話聞いたことある?」

母は少し黙った後、こう言った。

「……あんた、生まれる前にね。お兄ちゃんがいたのよ」

「……え?」

「生まれてすぐ亡くなったけど、私たちには確かにもう一人の子供がいたの」

「……それ、なんで今まで言わなかった?」

「……なんとなくね。あなたには絶対言わない方がいい気がしてたから」

背筋が凍った。

「……お兄ちゃん、どこに埋葬したの?」

「墓地よ。でもね……お葬式の時、棺の中でお兄ちゃんの顔がね……」

「……顔が?」

「笑ってたの。まるで、"ついていくからね"って顔で。」

その瞬間、スマホの画面がふと消えた。

真っ黒になった画面に、俺の背後が映る。

そこに——

目と口だけが黒く落ち込んだ何かが立っていた。

俺は叫びそうになったが、次の瞬間、耳元で囁かれた。

「……ずっと、守ってたよ」

そして——

「でもね、もう限界なんだ」

ガタンッ!!

押し入れの扉が、勝手に開いた。

中を覗くと、そこには……

折れ曲がった腕と、裂けた口で笑う人形のような何かが座っていた。

「……お兄ちゃん?」

「次は……入れ替わろうね」



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