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群霊の村と怨霊退散の儀 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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大学で民俗学を学んでいる俺は、教授からある調査を任された。

「○○村という廃村を調べてほしい。昔、"群霊信仰"と呼ばれる儀式があったらしい」

教授によると、その村では過去に大規模な疫病が流行し、村人全員が亡くなったという。

以来、村は無人のまま放置されている。

ただし、村に入った者は例外なく奇妙な体験をし、時には行方不明になることもあるという。

「……つまり、いわくつきの村ってことですか?」

「ああ。だから、気をつけろよ」

教授は半ば冗談のように言ったが、俺はその警告をもっと真剣に受け止めるべきだった。

群霊が集う村

山奥にひっそりと佇む○○村は、地図にもほとんど載っていなかった。

徒歩で山道を進み、ようやく村の入り口にたどり着いた。

古びた鳥居が立ち、木の看板にはこう書かれている。

「怨霊退散」

まるで、何かを封じ込めるかのような言葉。

「……気味が悪いな」

そう思いながら村へ足を踏み入れた。

民家は朽ち果て、道は荒れ放題。

だが、違和感があった。

人が住んでいないはずの村なのに、誰かが最近までここにいたような形跡がある。

家の中には古びた食器が整然と並び、祭壇のようなものが残されていた。

「これ……供養のためのものか?」

そう思った瞬間——

「ザザザザ……」

どこからか、不気味なざわめきが聞こえた。

群霊の影

風かと思ったが、違う。

周囲の家々の窓から、無数の白い影がこちらを見ている。

ぼんやりと揺らめく顔のない霊たち——

「……やばい」

直感的に、ここにいてはいけないと感じた。

俺は逃げるように村の中心部へ向かった。

すると、村の奥に巨大な祠があった。

扉には、古びた紙が貼られている。

「怨霊退散の儀 これを破るべからず」

だが、その札はすでに破れていた。

「……だから、霊が解き放たれたのか?」

そう思った時、背後から——

「お前も……加われ……」

耳元で囁かれた。

振り向くと、無数の群霊がすぐそこまで迫っていた。

怨霊退散の儀

「くそっ……どうすれば……!」

恐怖で動けなくなった時、ポケットの中に教授から渡された資料があるのを思い出した。

慌てて開くと、そこにはこう書かれていた。

「群霊を鎮めるには、怨霊退散の儀を再び行うべし。
その方法は、祠の扉を閉じ、札を新たに貼り直すこと」

俺は急いで祠へ駆け込み、扉を閉めようとした。

だが、群霊の手が俺の足を掴む。

「……来るな!!」

必死で足を振り払い、扉を閉じる。

次に、地面に落ちていた破れた札を拾い、震える手で祠の扉に貼り直した。

すると——

「ギャアアアアアア!!」

群霊が苦しげに叫び、消えていく。

怨霊退散の儀は成功したのだ。

俺は全身の力が抜け、その場に崩れ落ちた。

村の消失

翌日、教授にこの出来事を報告し、再び村へ向かった。

しかし——

そこには何もなかった。

祠も、家々も、すべてが跡形もなく消えていた。

——俺が、"再び封をした"ことによって。



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