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群霊の道──深夜に通ってはいけない場所 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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奇妙な近道

俺の通勤路には、少しだけ早く帰れる近道がある。

大通りから一本外れた旧道で、途中に使われていないトンネルがあるのが特徴だ。

昼間は普通の道だが、夜になると誰も通らなくなる。

その理由を、俺は知らなかった。

ある日、仕事で遅くなり、終電を逃してしまった。

「……仕方ない、近道を使うか。」

時計を見ると、深夜1時を回っていた。

気味は悪いが、特に幽霊を信じているわけでもない。

俺はその道へと足を踏み入れた。

静かすぎる道

道に入った瞬間、妙な違和感を覚えた。

静かすぎる。

車の音も、虫の鳴き声も、風の音すらしない。

「……気のせいか?」

そう思いながら歩き続けると、トンネルの入り口が見えてきた。

街灯はあるはずなのに、光が妙に弱々しい。

(……なんか、いやな感じだな。)

しかし、ここで引き返すのもバカらしい。

俺はそのままトンネルへ足を踏み入れた。

見えないはずのもの

トンネルの中は、思った以上に暗かった。

スマホのライトをつけようとした瞬間——

視界の端に、何かが動いた。

「……?」

薄暗いトンネルの奥。

人影が、たくさん並んでいる。

最初は何かの錯覚かと思った。

でも、目を凝らすと、それは間違いなく人の形をしていた。

無数の影が、じっとこちらを見ている。

「……なんだよ、あれ。」

気づいた瞬間、ゾワッと背筋が凍った。

こんな時間に、こんな場所に、大勢の人が立っているはずがない。

これは——人じゃない。

「……やばい、戻ろう。」

そう思って踵を返した瞬間、

ザザッ……

影の群れが、一斉に俺に向かって動き出した。

群霊の追跡

「やばい、やばい……!」

俺は全力で駆け出した。

だが、影の群れは音もなく追いかけてくる。

振り向く勇気はなかった。

だが、気配だけはわかる。

どんどん近づいてきている。

(出口まで……あと少し……!)

もう少しでトンネルを抜ける——そう思った時。

耳元で声が聞こえた。

「ひとり……たりない……」

もう一人、必要

次の瞬間、俺の足が止まった。

まるで誰かに掴まれたように、体が動かない。

「……もう、ひとり……たりない……」

耳元で、囁くような声がする。

(……足りない?)

その瞬間、理解した。

あの群霊は、仲間を増やそうとしている。

……次に加わるのは、俺だ。

「嫌だ……!!」

必死に足を動かし、全力でトンネルを抜けた。

次の瞬間——

ふっと、気配が消えた。

そして、またひとり……

俺は荒い息をつきながら、振り返った。

そこには、何もいなかった。

……いや、違う。

トンネルの奥に、まだ群れはいた。

その日以来、俺は二度とその近道を通らなくなった。



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