「この先に、昔使われてた小屋があるんだってさ」
夏休みの終わり、俺と友人の高橋、佐々木の三人は、地元の山へ探索に出かけていた。
目的は、昔の林業で使われていた"廃小屋"を見に行くこと。
「でも、あんまり近づかない方がいいって話もあるらしいぞ」
「なんで?」
「……なんかさ、前にあの小屋で行方不明になったやつがいるって噂があるんだよ」
佐々木はそう言いながら、少しだけ不安そうな顔をした。
だが、俺たちは怖いもの見たさもあり、その小屋へ向かった。
そして——
そこで、俺たちはありえないものを見つけてしまった。
目次
廃小屋で見つけた日記
小屋は、山道の奥にひっそりと建っていた。
壁は崩れかけ、窓ガラスは割れ、屋根もところどころ抜け落ちている。
「……マジで、誰も住んでないよな?」
「そりゃそうだろ」
俺たちはおそるおそる中へ入った。
埃っぽい空気。
奥には古びた木の机と、小さな棚。
そして——
机の上には、一冊のノートが置かれていた。
「……これ、日記か?」
表紙には、ボールペンでこう書かれていた。
「斉藤の日記」
斉藤——俺たちの昔のクラスメイトの名前だった。
「……嘘だろ?」
斉藤は、半年前に行方不明になっていた。
日記の内容
ページを開くと、そこには震えた文字でこう書かれていた。
【3月12日】
夜、知らないうちにこの小屋にいた。
なぜここにいるのかわからない。
誰か、迎えに来てほしい。
【3月13日】
外に出ようとしたけど、扉が開かない。
鍵なんてかかってないのに、なぜか開かない。
……誰かが、見てる気がする。
「……やばくね?」
ページをめくる手が震えた。
斉藤の最後の記録
【3月14日】
食べ物がない。水もない。
窓の外に、人が立っていた。
誰かと思ったけど、顔がなかった。
【3月15日】
夜中に、部屋の中から足音がした。
でも、俺しかいない。
いや、本当に俺しかいないのか?
【3月16日】
扉の前に、"俺"が立っていた。
俺が、俺を見ていた。
笑っていた。
【3月17日】
もうすぐ、俺は"あれ"になる。
次にここへ来るのは、誰だろう。
その時、"俺"は迎えに行くのかな。
待ってるよ。
——そこで、日記は終わっていた。
すでに"いた"もの
「……斉藤、本当にここにいたのか?」
俺たちは顔を見合わせた。
その時——
ギィ……
小屋の扉が、勝手に開いた。
そして、そこには——
"斉藤"が立っていた。
ニヤリと笑いながら。
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