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放棄された家と消えた住人 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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「この辺りに、ずっと空き家になってる家があるんだってさ」

ある日、友人の田島がそんな話を持ちかけてきた。

「放棄されたまま、何十年も誰も住んでないらしい。でも、不思議なのは——中の家具とか生活用品が全部そのままなんだって」

「……つまり、住んでた人が突然消えたってことか?」

「まあ、そんな感じだな」

興味をそそられた俺たちは、さっそくその家を見に行くことにした。

そして——俺たちは、そこでありえないものを見つけた。

家の異変

家は町外れの静かな住宅地にあった。

古びた二階建ての日本家屋。

壁はところどころひび割れ、庭の草は伸び放題だったが、窓ガラスは割れておらず、意外にも綺麗な状態を保っていた。

「本当に空き家なのか?」

「だって、電気もガスも通ってないらしいし、持ち主も誰かわからないって話だぞ」

「それにしては、やけに管理が行き届いてるように見えるけどな……」

そう言いながら、俺たちは玄関に近づいた。

驚いたことに——

鍵はかかっていなかった。

止まった時間

「……失礼しまーす」

誰もいないはずなのに、なぜか小声で言ってしまう。

俺たちは慎重に家の中へ足を踏み入れた。

すると、そこには——

まるで昨日まで誰かが住んでいたかのような生活空間が広がっていた。

・玄関には靴が揃えられている。
・リビングのテーブルには、うっすらと埃をかぶった湯のみが置かれている。
・壁のカレンダーは、1989年で止まっていた。

「やべえな……まるで時間が止まってるみたいだ」

俺は冷蔵庫を開けようとした。

「おい、やめろよ」

田島が慌てて止める。

「いいだろ、どうせ中身は腐ってるか、カラッポのはずだ」

そう言ってドアを開けると——

中の食品が、まったく傷んでいなかった。

「……嘘だろ?」

牛乳のパック、卵、野菜、すべてが新鮮なまま。

「こんなの……おかしい」

電気が止まっているはずなのに、なぜか冷気が感じられる。

まるで——

この家の時間だけが、止まっているようだった。

誰かがいる

「もう帰ろうぜ……」

嫌な予感がして、俺は田島にそう言った。

だが、田島は奥の部屋を指差した。

「なあ……さっきから、あの部屋のドア、少しずつ開いてないか?」

「……は?」

確かに、最初は閉まっていたはずの襖が、今はわずかに開いている。

その隙間から、誰かが覗いているような気配がする。

「……誰か、いるのか?」

俺が声をかけた瞬間——

カタ……カタ……

襖が少しずつ開き始めた。

そして、中から——

何もいなかった。

「……っ!!」

ホッとしたのも束の間、背後から——

「見つけた」

囁く声が聞こえた。

俺たちは叫びながら家を飛び出した。

家が変わった

翌日、俺たちはもう一度あの家を見に行った。

だが——

家がなかった。

いや、正確には——

家が「別のもの」に変わっていた。

昨日まで古びた日本家屋が建っていたはずの場所に、新築の一軒家が建っていたのだ。

昨日のあの家は何だったのか・・・・・・。



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