目次
序章──ビルの立入禁止エリア
会社員の田中翔太は、都内にあるオフィスビルで働いている。
そのビルには、ずっと使われていないフロアがあるという噂があった。
「このビル、10階の一部が立入禁止になってるらしいぜ」
同僚の高橋が面白がって話す。
「なんで?」
「さあな。昔事故があったとか、誰かがそこで消えたとか……」
「よくある都市伝説だろ」
翔太は特に気にしていなかった。
だが、ある日。
エレベーターのボタンに“10階”が表示されているのを見つけてしまった。
第一章──立入禁止のフロア
仕事が終わった深夜、翔太は何気なくエレベーターに乗り込んだ。
──「10」
通常、押せないはずのボタンが、なぜか光っている。
「……試してみるか?」
興味本位でボタンを押すと、エレベーターは静かに上昇を始めた。
チン──
扉が開く。
目の前には、廊下の奥まで広がる薄暗いフロアがあった。
壁には「立入禁止」の赤い文字。
「……うわ、マジで誰もいないな」
だが、妙に気になった。
「こんなに静かなのに、なぜ電気がついてるんだ?」
廊下の奥には、古びたドアが一つ。
「まあ、ちょっと見るだけなら……」
翔太は足を踏み入れた。
第二章──誰かいる
廊下は無音だった。
だが、背後のエレベーターが勝手に閉まる音がした。
「……っ!?」
振り返ると、扉は完全に閉じていた。
ボタンを押しても、反応しない。
「……やばい、帰れなくなった」
仕方なく、フロアの奥へ進む。
──すると、先ほどまで誰もいなかったはずの廊下の奥のドアが少し開いていることに気づいた。
「……誰かいる?」
怖くなりながらも、翔太はドアに手をかけた。
──ギィ……
扉の隙間から、ぼんやりとした人影が見えた。
しかし、よく見るとそれは無数の“手”の塊だった。
「……っ!!」
翔太が悲鳴を上げる前に、手が一斉に翔太の方へ向かって伸びてきた。
第三章──戻れないエレベーター
必死で廊下を駆け戻る。
エレベーターのボタンを連打すると、奇跡的に扉が開いた。
翔太は勢いよく飛び込んだ。
チン──
エレベーターが閉まる。
「……助かった……?」
安堵のため息をつき、ボタンを確認する。
だが、異変に気づいた。
B1、B2、B3……
見たことのない地下のボタンが増えている。
翔太は青ざめた。
「おかしい……こんなボタン、今までなかった」
次の瞬間、エレベーターが急降下した。
どこに向かっているのか、もう分からない。
──「立入禁止」の先へ入った者は、もう戻れないのだから。
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