怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

隙間ちゃんが覗いてる 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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俺が「隙間ちゃん」の存在を知ったのは、小学生の頃だった。

「ねえ、隙間ちゃんって知ってる?」

クラスの田中が、ある日そんな話をしてきた。

「隙間ちゃん?」

「そう。部屋の隙間から覗いてくる子。タンスと壁の間とか、ドアの隙間とか、カーテンのすき間とか……」

「……で?」

「隙間ちゃんに気づいちゃダメなんだって。もし気づくと——どんどん近づいてくるらしいよ」

「なんだそれ」

俺は笑ったが、田中は真剣な顔をしていた。

「……俺、一回見ちゃったんだ」

「え?」

「それから、ずっと家のどこかにいる。最初はタンスの隙間だった。でも、最近は……ベッドの下にいる気がするんだ」

その時は冗談だと思って聞き流した。

でも、ある夜——俺も「隙間ちゃん」を見てしまった。

隙間から覗くもの

その日は塾の帰りが遅くなり、家に着いたのは夜の10時過ぎだった。

部屋の電気をつけ、机にカバンを置く。

「ふぅ……疲れた」

ベッドに腰掛けた時——ふと、違和感を覚えた。

部屋の隅にある本棚と壁の間、10センチほどの細い隙間。

そこに、誰かの顔が覗いていた。

「……っ!!」

反射的に目を逸らした。

「……いや、気のせいか?」

恐る恐る視線を戻す。

——もう、いない。

「……疲れてるのかもな」

そう思いながら布団をかぶったが、どうしても嫌な感じが消えなかった。

誰かに見られている気がする。

近づく隙間ちゃん

翌朝、田中に昨日のことを話した。

「おい、昨日……俺の部屋の本棚の隙間に、何かいた気がするんだけど……」

田中は青ざめた顔で言った。

「……もう、見つけたんだな」

「……は?」

「最初はどこかの隙間にいるんだ。でも、一度気づくと——」

「……?」

「だんだん、近づいてくるんだよ。」

「……今、どこにいると思う?」

田中の言葉に、背筋がゾッとした。

昨夜、本棚の隙間だった。

じゃあ、次は……?

布団の隙間

夜、布団をかぶり、できるだけ部屋の隙間を見ないようにしていた。

だが——

ふと気づいた。

ベッド隣、クローゼットのドアに、小さな"隙間"ができている。

「……まさか」

恐る恐る覗く。

そこに、黒い目があった。

俺をじっと見つめていた。

「みーつけた」



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