目次
目覚めると、そこは白い空間だった
ある夜、不思議な夢を見た。
気がつくと、俺はどこまでも真っ白な空間に立っていた。
床も天井も壁もなく、ただ白い光に包まれた場所。
「……ここ、どこだ?」
静かすぎて、まるで音すら存在しないようだった。
でも、不思議と怖くはない。
むしろ、心が落ち着くような気さえした。
(夢、だよな?)
そう思いながら歩き出すと、前方に何かが現れた。
誰かがいる
少し進むと、そこに小さな机と椅子があった。
机の上には、一冊のノートが置かれている。
そのノートを開くと、中にはこう書かれていた。
「こんにちは。ここは“夢の待合室”です。」
「夢の……待合室?」
不思議に思ってページをめくると、さらにこう書かれていた。
「あなたは時々ここに来ることになっています。」
「……俺が?」
まったく覚えがない。
すると、後ろから声がした。
「久しぶりだね。」
振り向くと、そこには真っ白な服を着た男が立っていた。
見覚えはない。でも、どこか懐かしい気がする。
「……誰?」
「君の“夢の案内人”みたいなものかな。」
「夢の……案内人?」
男は微笑んだ。
「ここはね、夢と現実の間にある場所なんだよ。」
夢の中の記憶
「君はこれまで、何度もここに来てるんだ。」
「……覚えてないけど。」
「覚えてなくて当然。夢から覚めたら、普通は忘れてしまうからね。」
男は机の上のノートを指差した。
「でも、ここに来る人は、時々“思い出す”ことがある。」
俺はノートを見つめた。
その瞬間——
頭の奥から、ぼんやりとした映像が浮かんできた。
——同じ白い空間。
——同じ机とノート。
——そして、何度もこの場所で話した記憶。
「……本当に、俺はここに来てたのか?」
「そうだよ。たぶん、君はまたすぐ忘れちゃうけどね。」
男は笑った。
目覚めの時間
「そろそろ時間だ。」
男がそう言った瞬間、白い空間が少しずつ揺らぎ始めた。
「君が目を覚ます時間が近づいてる。」
「……また、ここに来られるのか?」
男は頷いた。
「もちろん。夢の中でまた会おう。」
次の瞬間、視界が真っ白に染まった。
そして——
俺は、自分の部屋のベッドで目を覚ました。
夢の痕跡
「……夢、だったのか?」
時計を見ると、朝の7時。
変わった夢だったな、と思いながら体を起こす。
すると、枕元に小さなノートが置かれていた。
見たことのないノート。
表紙には、見覚えのある字でこう書かれていた。
「また来てね。夢の待合室で。」
俺は思わず微笑んだ。
不思議な夢だったけど、悪くない。
もしかしたら今夜も、あの白い空間で誰かが待っているのかもしれない。
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