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【不思議な話】「転校生と不思議な公園」──あの子は誰だったのか? 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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転校生がやってきた

僕、ユウタは小学5年生。
いつも親友のケンジ、マコトと3人で遊んでいる。

ある日、僕たちのクラスに転校生の女の子がやってきた。

名前はアヤ。
黒髪のストレートで、どこか大人びた雰囲気を持つ子だった。

「アヤさん、席はユウタくんの隣ね」

先生がそう言って、彼女が隣に座ることになった。

僕は「よろしく!」と声をかけたけど、アヤは少し戸惑ったように頷くだけだった。

彼女はおとなしくて、あまり自分から話しかけることはなかった。

でも、そんな性格が原因なのか——

クラスの一部の子たちが、ちょっとした意地悪をするようになった。

「ねえ、アヤってなんか変じゃない?」
「ずっと黙ってて、幽霊みたい」

本人の前では言わないけど、陰でそんなことを言う子たちがいた。

公園へ誘った日

ある日の放課後。

僕たち3人はいつものように一緒に帰ろうとした。

その時、校門の近くで、アヤがひとりで泣いているのを見つけた。

「……どうしたの?」

マコトが声をかけると、アヤは驚いたように顔を上げた。

「な、なんでもない……」

でも、目が赤いし、鼻をすすっている。

「誰かに何か言われた?」

ケンジが聞くと、アヤはゆっくり頷いた。

「……大丈夫。気にしないから」

本当は気にしてるのに、無理して笑おうとしてるのが分かった。

「じゃあさ、気分転換に一緒に遊ばない?」

僕がそう言うと、アヤは少し驚いた顔をして、それから小さく頷いた。

「……うん」

こうして、僕たちは4人で近くの公園に向かった。

不思議な公園の出来事

その公園は、僕たちの秘密基地みたいな場所だった。

遊具は古いけど、広くて遊びやすい。
僕たちはブランコを漕いだり、鬼ごっこをしたりして遊んだ。

「アヤ、結構走るの速いな!」

マコトが驚いたように言うと、アヤは少しだけ笑った。

「……楽しい」

そう言ったとき、突然——

「カーン……」

どこからか、鐘の音が聞こえた。

「え……?」

公園のどこを見渡しても、鐘なんてない。

僕たちは顔を見合わせた。

すると、周りの景色がぼんやりと揺らいでいるように見えた。

「なんだこれ……?」

ケンジが驚いて指を差した。

公園の奥の大きな木の下に、見たことのない古い石碑があった。

「え? こんなのあったっけ?」

近づいてみると、石碑には読めない文字が刻まれていた。

「何語?」

「いや、これ、日本語っぽいけど……すごく古い字だ」

僕たちは不思議に思っていると、アヤがその石碑をじっと見つめて言った。

「……ここ、懐かしい」

「え?」

「私……ここ、知ってる」

アヤが呟いた瞬間——

ふわっと風が吹いて、公園の景色が元に戻った。

石碑も消えていた。

「……今の、何だったんだ?」

僕たちはお互いの顔を見たけど、誰も答えを持っていなかった。

その後のアヤ

次の日から、アヤは少しずつ明るくなった。

僕たちともよく話すようになり、クラスの子たちとも馴染んでいった。

でも、ある日突然——

アヤは転校してしまった。

「家の都合らしいよ」

先生はそう言ったけど、詳しいことは教えてくれなかった。

僕たちは、アヤと公園で遊んだことを不思議な思い出として心に残していた。

大人になってからの再会

それから十数年後——

僕たちは社会人になったけれど、今でもケンジ、マコトとは仲が良い。

ある日、久しぶりに3人で飲みに行ったとき、ふとあの公園の話になった。

「なあ、あの日のこと覚えてる?」

「もちろん。あれ、なんだったんだろうな」

「石碑が消えたのも変だったけど……アヤが“懐かしい”って言ったのが気になるよな」

話しているうちに、気になってしまい——

翌日、僕たちはあの公園を訪れた。

だが、公園はなくなっていた。

「え? ここだよな……?」

そこには、まったく違う建物が建っていた。

「どういうことだよ……?」

気になって町の資料館で調べると、驚くべきことが分かった。

あの公園は、昔は“ある屋敷の跡地”だったのだ。

そして、その屋敷には——

「アヤ」という名の少女が住んでいたと記録が残っていた。

だが、その少女は100年以上前に亡くなっている。

「……嘘だろ?」

じゃあ、僕たちと遊んだアヤは——

一体、何者だったんだ?

ただ、一つだけ確かなのは——

僕たちはあの時、本当にアヤと友達になったということだ。

そして、今でもどこかで——

アヤは僕たちを見守ってくれているのかもしれない。



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