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【恐怖体験】「野良犬と魍魎召喚」──深夜の儀式 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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廃神社の野良犬

俺たちの地元には、使われなくなった神社がある。

もう何十年も放置され、今では廃墟のようになっているが、なぜか野良犬が大量に住み着いていることで有名だった。

「あそこ、絶対なんかあるよな」

中学の頃、俺と友人のタカシ、ユウヤ、マサキの4人は、肝試しのノリでその神社に行くことにした。

「ただの廃神社だろ?」

そう思っていたが——

それが間違いだった。

魍魎召喚の儀式

神社に着くと、すぐに異変に気づいた。

無数の野良犬たちが、こちらをじっと見ている。

「……なんかヤバくね?」

普通、野良犬って人を怖がるはずだろ?
でも、こいつらは違った。

まるで、何かを待っているような目で俺たちを見ていた。

「……これ、マジでやばいんじゃね?」

そう思った時——

「おい、これ見ろよ」

マサキが、神社の奥にある朽ちた祠(ほこら)を指さした。

そこには、風化した木の板が置かれ、何かの呪文のような文字が刻まれていた。

「魍魎召喚ノ儀」

「魍魎(もうりょう)って……妖怪みたいなもんだよな?」

「召喚ってことは、ここでなんか呼び出したってことか?」

俺たちはふざけ半分で、その板の呪文を読み上げてみた。

「……南無魍魎(なむもうりょう)……」

——その瞬間。

「グルルルル……」

周囲にいた野良犬たちが、一斉に唸り始めた。

「……やばい」

本能的に、これは冗談じゃ済まないと悟った。

すると——

犬たちの影が、異様に長く伸び始めた。

それだけじゃない。

影の中から、何か別の“存在”が現れようとしていた。

影の中の“何か”

「逃げろ!!」

ユウヤが叫んだ瞬間、野良犬たちの影から、異形の手が這い出してきた。

「うわああ!!」

黒い霧のようなものが広がり、影の中から無数の手や顔がうごめいているのが見えた。

「なんだよ、これ!!」

犬たちは狂ったように吠え、影の中の存在を歓迎するかのように咆哮していた。

その時——

「お前たちは、何をした……?」

頭の中に、直接響くような声が聞こえた。

振り向くと、祠の前に異形の者が立っていた。

顔は人間のようだが、口が耳まで裂け、目は血のように赤い。
その体は、犬たちの影と同化しているように揺らいでいた。

「お前たちが扉を開いた……代償を払え……」

その瞬間——

マサキが、影に引きずり込まれた。

「うわあああああ!!!」

俺たちは必死にマサキを掴もうとしたが、手をすり抜けてしまう。

マサキの体は、まるで影の中に吸い込まれるように消えていった。

最後に見えたのは——

血の涙を流しながら、無言で助けを求めるマサキの顔だった。

消えたマサキ

次の瞬間、俺たちは神社の外に投げ出されていた。

「はぁ、はぁ……マサキは!?」

しかし——

マサキは、どこにもいなかった。

神社の中に戻ろうとしたが、そこにはすでに祠はなくなっていた。

あの場所にそんなものは、最初から存在しなかったかのように。

俺たちは呆然とした。

次の日、警察に通報したが、マサキは行方不明のままだった。

それどころか——

「この町に、そんな人間はいない」と言われた。

「ふざけんな!! 昨日まで一緒にいたんだぞ!!」

でも、学校の先生も、親も、誰もマサキのことを覚えていなかった。

それどころか——

俺たちが持っていたはずのマサキとの写真、LINEの履歴、すべてが消えていた。

まるで——

最初からマサキという存在が、この世になかったかのように。

それは今も……

あれから数年が経った。

俺もタカシもユウヤも、未だにあの夜のことを忘れられない。

ただ、一つだけ気になることがある。

最近、俺の住むアパートの近くに、一匹の野良犬が現れるようになった。

どこか悲しげな目をしたその犬は、いつも俺をじっと見つめている。

そして、ある晩——

俺の耳元で、かすかな声が聞こえた。

「……助けて……」

俺は息を呑んだ。

その犬の影が、異様に長く伸びていることに気づいたからだ。

——あの時と同じように。



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