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転校生の秘密──公園で見た不思議な世界 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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いつもの3人と転校生

僕たち3人は、いつも一緒に遊ぶ仲良しトリオだった。
タカシはちょっと生意気だけど頼りになるリーダータイプ、マコトはのんびりしていて優しい。
そして僕、ユウタはわりと普通の小学生。

そんな僕たちのクラスに、ある日、一人の女の子が転校してきた。

「神崎サヤです。よろしくお願いします…」

サヤは大人しく、あまり人と話そうとしなかった。
それが原因で、クラスの何人かからやっかまれ、時々軽くからかわれていた。
僕たち3人も、特に仲良くするわけでもなく、ただ遠くから見ているだけだった。

泣いていたサヤと不思議な公園

その日もいつものように3人で帰ろうとしたとき、校門の近くでサヤが泣いているのを見つけた。

「どうしたの?」とマコトが声をかけると、サヤは涙をぬぐいながら、小さく答えた。

「ノートを隠されたの…。でも、先生に言ったら、もっと意地悪されるかも…」

僕たちは顔を見合わせた。普段なら無関係のまま帰るかもしれない。
でも、その日はなぜか違った。

「…なあ、一緒に遊ばない?」と、タカシが言った。

「え?」

「こんな日は、楽しいことしたほうがいいよ。な?」

僕たちも頷き、サヤを誘って、近くの小さな公園へ向かった。
そこは古びたブランコと滑り台があるだけの、誰もいない公園だった。

「ここ、私…知ってる気がする…」

サヤがそうつぶやいた瞬間、空気が変わった。

夕暮れの向こう側

気づくと、公園の周りがぼんやりと霞んでいた。
ブランコの鎖がぎしぎしと揺れ、まるで誰かが乗っているようだった。

「…なんか変じゃね?」

タカシが不安そうに言う。

そのとき、僕たちは見た。

公園の奥、誰もいないはずの滑り台の上に、もう一人のサヤが立っていた。
真っ白な顔、無表情なまま、じっとこちらを見つめている。

「…あれ、何?」

誰も答えられなかった。

その「もう一人のサヤ」がゆっくりと滑り台を滑り降りると、消えた。
そして次の瞬間、僕たちは元の公園に戻っていた。

「…なんだったんだ、今の…?」

サヤは何も言わず、少しだけ微笑んだ。

「ありがとう。もう大丈夫。」

それから僕たちは、何事もなかったように遊び続けた。

大人になった僕たち

それから何年も経ち、僕たちは大人になった。
今でも4人は仲が良く、ときどき集まっては昔の思い出を話す。

「なあ、あの日見たアレ、なんだったんだろうな?」

「夢だったんじゃない?」とマコトが笑う。

「でも…」

サヤが不思議そうに言う。

「私は今でも、あの公園のことをはっきり覚えてる。あそこ、もうないのにね。」

そう、あの公園は数年前に取り壊され、今は新しいビルが建っている。
それなのに、時々、夢に出てくるのだ。

誰もいない公園で、滑り台の上からこちらをじっと見つめる"もう一人のサヤ"が──。



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