俺がそのトンネルを通ったのは、仕事帰りの深夜だった。
山道を抜ける最短ルートにある古いトンネル。
昼間でも薄暗く、地元では「出る」と噂されている場所だった。
正直気味が悪かったが、遠回りするのも面倒だったので、そのまま車を走らせた。
トンネルに差し掛かったとき——
ふと、違和感を覚えた。
目次
子供の姿
ヘッドライトが照らす先、トンネルの中央あたりに小さな影が見えた。
「……子供?」
こんな時間に、こんな場所で?
ありえない。
近づくと、それは赤い服を着た幼い女の子だった。
背を向け、壁に向かって立っている。
「まさか……迷子か?」
車を止め、窓を開けて声をかけた。
「おーい、どうした?」
女の子は動かない。
まるで、俺の声が聞こえていないかのように。
奇妙な反応
嫌な予感がした。
「……大丈夫か?」
少し躊躇いながらも、車を降りて近づいた。
女の子は壁の方を向いたまま微動だにしない。
肩にそっと手をかけた、その瞬間——
「……みーつけた」
背後から、別の子供の声がした。
「……え?」
驚いて振り向くが、誰もいない。
慌てて目の前の女の子を見ると——
そこには、何もなかった。
まるで最初から、誰もいなかったかのように。
後日談
翌日、気になってトンネルのことを調べた。
すると、昔そこで起きた事故の記録が見つかった。
数十年前、赤い服を着た女の子が、親とはぐれたままトンネルで事故に遭い亡くなった——
それ以来、夜中にトンネルを通ると、"赤い服の子供"が現れるという噂があるらしい。
「……じゃあ、あれは……」
ゾッとした。
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