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「暗がりに潜むモノ」──決して覗いてはいけない 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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真夜中の物音

俺はその日、久しぶりに実家へ帰省していた。

両親は旅行中で家には俺一人。

夜も更け、ベッドに横になりながらスマホをいじっていると、ふと家のどこかで何かが動く音が聞こえた。

「……猫か?」

実家では昔、猫を飼っていた。

だが、もう何年も前に死んでいる。

「風のせいか」

そう思って気にせずスマホを見ていたのだが——

ギィ……ギィ……

今度は階段を軋ませる音が聞こえた。

……誰かいるのか?

胸騒ぎがして、俺はスマホの明かりを頼りにそっと部屋の扉を開けた。

暗がりの中に

廊下は真っ暗だった。

実家は古い日本家屋で、夜は異様なほど静かになる。

「……誰かいるのか?」

恐る恐る声をかけたが、返事はない。

俺はそっと階段の方を覗き込んだ。

——そこに、何かがいた。

階段の途中、暗がりの中にうずくまる人影。

「……っ!」

喉が凍りついた。

それは、明らかに人間の形をしていたが、妙に歪んでいた。

背中を丸め、こちらに背を向けたまま、カクカクと小刻みに揺れている。

「……おい」

声をかけた瞬間——

「カタカタカタ……」

それは異様な速さで揺れ始めた。

嫌な汗が背中を伝う。

何だ、あれは……?

俺は無意識に後ずさった。

すると、その気配を察したかのように、

「……見てる?」

掠れた声が、暗がりから響いた。

闇に引きずり込まれる

その瞬間、俺の心臓は凍りついた。

見てる?

見てはいけないものを、見てしまったのか——?

次の瞬間——

ギギギギ……!

人影が不自然な動きでゆっくりと振り向き始めた。

「やばい!!」

本能的にそう感じた俺は、部屋へ駆け戻り、扉を閉めた。

ドアノブを押さえながら、耳を澄ます。

——シン……

静まり返っていた。

……いなくなったのか?

俺はそっと扉を開け、廊下を覗いた。

そこにはもう何もいなかった。

「……気のせい……だったのか?」

ホッと胸をなでおろした、その瞬間——

「みつけた……」

すぐそばの暗がりから、何かがこちらを覗き込んでいた。

消えない気配

俺はその晩、一睡もできなかった。

布団に潜り込み、ひたすら朝が来るのを待った。

翌朝、恐る恐る家の中を見回ったが、何もおかしなところはなかった。

あの暗がりにいた“何か”は、もういないのだろうか……?

「……気のせいだったんだよな」

無理やり自分にそう言い聞かせた。

しかし——

玄関の鏡に映った自分を見て、俺は凍りついた。

肩越しに——

真っ黒な“何か”が、じっと俺を見つめていた。

それ以来、俺は暗がりが怖くて仕方がない。

夜になると、どこかから「みつけた……」と聞こえてくる気がするのだ。

——暗闇の中で、今もそれは俺を見ているのかもしれない。



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