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「本物がいるお化け屋敷」──出口の先に待つもの 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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期間限定の噂

夏の終わり、俺たちは地元に期間限定でオープンした「最恐お化け屋敷」に行くことになった。

「このお化け屋敷、マジでやばいらしいぞ」

そう言ったのは友人のタクヤだった。

「やばいって?」

「途中で出られなくなったとか、出口が見つからないとか……」

くだらない都市伝説だと思ったが、俺たちはホラー好きだったし、肝試しのつもりで挑戦することにした。

奇妙な注意事項

受付でチケットを買うと、係員が妙に真剣な顔でこう言った。

「絶対に途中で引き返さないでください。進み続ければ、必ず出口に着きますので」

そんなこと言われたら、逆に怖い。

だが、俺たちは軽いノリで「了解っす!」と手を振り、中に入った。

異様な雰囲気

中に入ると、すぐに異変に気づいた。

異様に静かなのだ。

お化け屋敷といえば、他の客の悲鳴や、BGMが響いているものだが……ここは、やけにひっそりしていた。

「なあ、なんか変じゃね?」

「ビビってんのかよ」

そんな軽口を叩いていたが、進むうちに俺たちは無言になった。

廊下の奥に、白い着物を着た女が立っていたのだ。

俯いていて顔は見えない。

演出の一環だと思い、俺たちは慎重に進んだ。

すると——

女の顔が、不自然なほどゆっくりと上がる。

……そこには、顔がなかった。

「うわぁ!!」

タクヤが叫び、俺たちは一斉に走った。

出口が見つからない

俺たちは必死に駆け抜けた。

だが、どれだけ進んでも、出口が見えない。

「おかしいだろ!? こんなに長いわけねえ!」

走るうちに、俺たちは最初に通ったはずの場所に戻っていることに気がついた。

「なあ……同じところをぐるぐる回ってないか?」

壁のひび割れや、倒れた置物……何度も同じ風景が目に入る。

「おい! 係員いねえのか!?」

叫んでも返事はない。

俺たちは完全に閉じ込められたのか……?

「お客さん、あちらですよ」

「……どうすれば……」

絶望しかけたその時、背後から声がした。

「お客さん、あちらですよ」

振り向くと、係員の男が立っていた。

「えっ……」

「出口、あちらです」

俺たちは安堵し、促されるままに暗い通路を進んだ。

しかし、出口に辿り着いた瞬間、違和感に気づいた。

入り口の看板にこう書かれていた。

「営業終了──次の最恐お化け屋敷は来年開催!」

……待てよ。

……あの係員は?

振り向くと、そこには誰もいなかった。

「……おい、帰ろう」

俺たちは無言でその場を後にした。

そして翌年……

それから一年後。

俺たちは「最恐お化け屋敷」の開催を楽しみにしていたが——

どこにも情報がなかった。

不思議に思い、地元のイベント情報を調べると……

そもそもそんなお化け屋敷は存在しなかった。

去年、俺たちが体験したあの場所は……何だったのか?

思い出すだけで、背筋が凍る。

——あの時、俺たちはどこに迷い込んでいたのだろう?



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