怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

小さなトンネルの向こう側 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

投稿日:

子どもの頃の遊び場

俺が小学生の頃、地元の公園には小さなトンネルがあった。

遊具の一部で、コンクリート製の半円状の穴が地面に埋まっているだけのものだったが、俺たちはそのトンネルを秘密基地にして遊んでいた。

ある日、友達のカズキがこんなことを言った。

「このトンネル、たまに向こう側に知らない子がいるんだよな。」

「え? どこの子?」

「わかんない。でも、いつの間にか消えてるんだ。」

当時の俺は、あまり気にしなかった。

けれど、その日から俺も奇妙なものを目撃するようになった。

向こう側にいる誰か

ある夕方、公園で遊んでいると、俺はトンネルの向こう側に小さな足が見えた。

赤い靴を履いた、誰かの足。

「カズキ?」

俺はトンネルをくぐり抜けた——

——でも、向こうには誰もいなかった。

「……?」

トンネルの周りを見回したが、人の姿はない。

「気のせいか?」

そう思いながら戻ろうとすると、今度は背後から足音が聞こえた。

ザッ、ザッ、ザッ……

振り返ると、トンネルの向こう側に、赤い靴を履いた子どもが立っていた。

——でも、その子の顔が見えない。

驚いて目をこすり、もう一度見たときには、その子は消えていた。

トンネルの噂

俺はすぐにカズキにその話をした。

すると、カズキは少し怖がりながら言った。

「……おばあちゃんが言ってたんだけどさ。この公園、昔は墓地だったらしいよ。」

「は、墓地!?」

「で、このトンネルがある場所、昔は井戸があった場所なんだって。」

その話を聞いた俺たちは、もうそのトンネルで遊ばなくなった。

大人になってからの再訪

それから十数年が経ち、俺は久しぶりに地元へ帰省した。

ふと昔のことを思い出し、あの公園に行ってみると——

トンネルはまだあった。

懐かしくなり、俺は軽い気持ちでトンネルを覗き込んだ。

その瞬間——

向こう側に、赤い靴の子どもが立っていた。

驚いて目を見開くと、子どもはゆっくりとこちらに向かって歩いてくる。

俺は慌ててトンネルから離れた。

でも、トンネルの向こうを見ると——

もう誰もいなかった。

俺はゾッとして、公園を後にした。

それ以来、あのトンネルには絶対に近づかないようにしている。



■おすすめ

マンガ無料立ち読み

1冊115円のDMMコミックレンタル!

人気の漫画が32000冊以上読み放題【スキマ】

人気コミック絶賛発売中!【DMMブックス】




ロリポップ!

ムームーサーバー


新作続々追加!オーディオブック聴くなら - audiobook.jp



世界の心霊写真 ~カメラがとらえた幽霊たち、その歴史と真偽

新品価格
¥3,080から
(2024/10/17 10:26時点)



ほんとうにあった怖い話「年上の彼女」



ページをめくってゾッとする 1分で読める怖い話 [ 池田書店編集部 ]

価格:1078円
(2024/7/23 13:25時点)
感想(1件)



-怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集
-, , , , , , , ,

Copyright© 映画・ドラマ・本・怖い話・奇妙な話・不思議な話・短編・ガールズ戦士シリーズ・Girls2(ガールズガールズ)などの紹介・感想ブログです。 , 2025 All Rights Reserved Powered by STINGER.