怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

幻の酒を求めて 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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謎の酒の噂

酒好きの俺は、日本各地の地酒を飲み歩くのを趣味にしている。

ある日、馴染みの居酒屋で、常連の老人がこんな話をしていた。

「"幽月(ゆうげつ)"って酒を知ってるか?」

聞いたことがない名前だった。

「それを飲んだ者は、この世のものとは思えない体験をするらしい。ただし、どこで手に入るのか誰も知らないんだ」

こういう話には目がない俺は、すぐに調査を始めた。

山奥の古い酒蔵

情報を集めていくと、ある山奥の村に"幽月"に似た酒があるという話を聞いた。

好奇心に駆られ、俺はすぐにその村へ向かった。

村は霧に包まれ、どこか現実味がなかった。

そして、村の外れにひっそりと佇む古びた酒蔵を見つけた。

「ここで"幽月"は作られているのか?」

扉を叩くと、中から老人が現れた。

「……あんた、あの酒を求めてきたのか?」

俺が頷くと、老人はため息をついた。

「この酒は、普通の人間が飲むものじゃない。後悔しないか?」

禁断の酒

俺は迷わず「ぜひ飲みたい」と答えた。

老人は奥の棚から青白く光る瓶を取り出した。

「これは一夜限りの酒だ。決して持ち帰ってはいけない」

グラスに注がれると、月光のように淡く輝いていた。

俺はゆっくりと口をつけた——

瞬間、世界が歪んだ。

景色が揺れ、周囲の音が消える。

気づけば、見知らぬ場所に立っていた。

もうひとつの世界

目の前には、見覚えのある村。しかし、何かが違う。

灯りのついた家々の中を覗くと——

そこにいるのは、見知らぬ人々ではなく"幽霊"のような存在だった。

半透明で、静かに杯を交わし、笑っている。

——いや、違う。

よく見ると、彼らはこの村の過去の人々だった。

俺は歴史の"影"の中に紛れ込んだのかもしれない。

目覚めと違和感

突然、肩を叩かれた。

振り向くと、あの老人がいた。

「帰る時間だ。飲みすぎると、帰れなくなるぞ」

気づけば、俺は酒蔵の座敷に座っていた。

「……今のは?」

「"幽月"を飲むと、この地の記憶が見える。それだけのことさ」

俺はふと、ポケットを探った。

青白い瓶が入っていた。

——俺は持ち帰ってはいけないものを持ち帰ってしまったのかもしれない。



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