目次
序章:不気味なガレージセール
大学生の 藤井拓真(ふじいたくま) は、地元に帰省していた。
ある日、幼馴染の 佐々木亮介(ささきりょうすけ) から、「面白い場所がある」と誘われた。
向かった先は、住宅街の片隅にある 古びた一軒家のガレージセール だった。
テーブルには、古い時計や人形、ボードゲームなど、どこか不気味なものばかりが並んでいた。
「……変な空気だな。」
拓真がぼそっとつぶやくと、亮介が興味深そうに指さした。
「おい、これ見てみろよ。」
そこには、ボロボロの木製の車のおもちゃ があった。
タイヤが少し歪んでいて、ボディには子供が落書きしたような跡が残っている。
値札には「100円」と書かれていた。
「……安いし、買ってみるか。」
軽い気持ちで、拓真はそのおもちゃを手に取った。
そのとき——
ガレージの奥から、何者かの視線を感じた。
第一章:小さなトンネル
翌日、拓真は亮介と一緒に近所を散歩していた。
「なあ、あの道覚えてるか?」
亮介が指さした先には、小さなトンネル があった。
大人がかがんで通れる程度の高さで、昔は子供たちの遊び場だった。
しかし、今は 何かに塞がれたかのように暗く、異様な雰囲気を放っていた。
「……なんか、昔と雰囲気違うよな。」
「だよな……。」
そのとき——
拓真のリュックの中から、「カタカタ……」と音がした。
「え?」
開けてみると——
昨日買った木製の車が、カタカタとなっていた。
「おいおい……風もないのに。」
不気味に思いながらも、拓真は車を拾い上げた。
その瞬間、背後から「クスクス……」と子供の笑い声 が聞こえた。
振り向くと——
そこには誰もいなかった。
第二章:異変
家に帰った後も、奇妙なことが続いた。
木製の車は、必ず夜中になると少しずつ動いている。
最初は気のせいかと思っていたが、ある夜——
車が、トンネルの方向を向いていた。
「……誰かのいたずらか?」
拓真は、薄気味悪さを感じながらも、亮介とトンネルへ向かった。
その日は満月だったが、トンネルの入り口は相変わらず 異様な暗がり に覆われていた。
「……なんなんだ、ここ。」
トンネルの中を覗くと——
奥の方で、小さな手がこちらを招いていた。
第三章:トンネルの向こう側
「……やめとけ。」
後ろから亮介の声がした。
「やばい気がする。戻ろう。」
だが——
その瞬間、拓真の足元で、木製の車がカタカタと震えだした。
「……おい、勝手に動いてるぞ。」
「捨てちまえよ、そんなもん!」
拓真は、思い切ってトンネルの中へ車を投げ込んだ。
すると——
ゴトン……ゴトン……ゴトン……
車はトンネルの奥へと転がっていく。
そして、それが完全に見えなくなった瞬間——
「……かえして。」
低い声が響いた。
トンネルの暗闇から、子供の手が何本も伸びてきた。
「逃げろ!!」
二人は全速力で駆け出した。
背後では、無数の足音が追いかけてくる。
——そして、トンネルの入り口を越えた瞬間、音はピタリと止んだ。
振り向くと——
トンネルの暗がりは、まるで何事もなかったかのように静まり返っていた。
エピローグ:木製の車の行方
その後、二人はあのトンネルには近づかなくなった。
木製の車は、二度と見つからなかった。
ただ——
数日後、拓真の家のポストに 小さな手形がついた封筒 が入っていた。
中には、汚れた紙切れが一枚。
そこには、震えた文字でこう書かれていた。
「ありがとう」
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