目次
序章：いつも通りの帰り道
会社帰りの 田中悠介（たなかゆうすけ） は、毎日通る道を歩いていた。
仕事で疲れた日は、決まって コンビニで缶ビールを一本 買い、アパートに帰るのが習慣だった。
この日も、いつも通りコンビニに寄り、缶ビールを手に取る。
しかし——
レジを済ませ、店を出た瞬間、妙な 違和感 を覚えた。
「……あれ？」
見慣れたはずの風景が、何か違う。
街灯の光が妙に暗い。
静かすぎる。
車の音も、遠くで響いているだけ。
まるで、世界から少し切り離されたような感覚。
第一章：見知らぬ道
「気のせいか……」
そう思いながら歩き出したが、違和感は消えない。
普段は五分で着くはずのアパートが、一向に見えてこない。
むしろ、歩けば歩くほど、知らない道 に迷い込んでいく。
「……いや、こんな道、あったか？」
薄暗い街並み。
静まり返った住宅街。
どの家も窓が閉ざされ、まるで 誰も住んでいない ようだった。
スマホを取り出し、地図アプリを開こうとした。
しかし——
画面がまったく反応しない。
第二章：話しかけてくる男
焦りを感じ始めたそのとき、
背後から 「こんばんは」 と声をかけられた。
振り向くと、スーツ姿の 男 が立っていた。
「この辺りでは見かけない顔ですね。」
妙に滑らかな口調。
不自然なほど白い肌。
「すみません、道に迷ったみたいで……」
そう言いかけた瞬間、男は にこりと笑った。
「この道を通った人は、みんなそう言いますよ。」
ゾクリとした。
「どういう意味ですか？」
「あなたがどこへ行こうとしているのか、教えてくれますか？」
男の目が、じっとこちらを見つめている。
何か、妙だ——。
「……アパートに帰るだけです。」
そう答えた瞬間、男は小さく頷いた。
「それなら、大丈夫です。」
次の瞬間——
「気をつけて、お帰りください」
そう言われた途端、視界が一瞬 真っ暗 になった。
第三章：元の世界
気がつくと、田中はアパートの前 に立っていた。
「……え？」
コンビニから歩き出してほんの数分 のはずだったのに、時計を見ると 一時間以上 経っている。
さっきの 男 はどこへ？
あの 妙な住宅街 は？
慌ててスマホを確認すると、地図アプリも普通に動いていた。
すべて、夢だったのか？
いや——
ポケットに手を入れると、そこには 見知らぬ鍵 が入っていた。
見たこともない、古びた鍵。
まるで、誰かの家の鍵のような。
それが どこへ通じるのか、田中には知るすべがなかった。
■おすすめ
マンガ無料立ち読み
1冊115円のDMMコミックレンタル！
人気の漫画が32000冊以上読み放題【スキマ】
人気コミック絶賛発売中！【DMMブックス】
ロリポップ！
ムームーサーバー
新作続々追加！オーディオブック聴くなら - audiobook.jp
 | 新品価格 |
 |
 | ページをめくってゾッとする 1分で読める怖い話 [ 池田書店編集部 ] 価格:1078円 |
