目次
中古屋で見つけたもの
仕事帰り、ふと立ち寄った中古屋で、小さなブリキのおもちゃを見つけた。
ゼンマイ仕掛けのロボットで、ボディには多少の傷があるが、どこか懐かしさを感じさせるデザインだった。
値札は「100円」。
「安いし、部屋の飾りにでもするか」
軽い気持ちでそれを買い、ポケットにしまった。
暗がりのトンネル
帰り道、近道をしようと古い小さなトンネルを通ることにした。
地元では「暗がりトンネル」と呼ばれる場所で、昼間でも薄暗く、いつもひんやりとしている。
中に入ると、妙な気配を感じた。
足音が増えている。
誰かが後ろを歩いている気がして、背筋が冷たくなる。
立ち尽くす子ども
出口が近づいたとき、トンネルの端に子どもが立っていた。
歳は5、6歳くらいだろうか。薄汚れた服を着て、じっとこちらを見ている。
「こんな時間に、こんな場所で?」
違和感を覚えた瞬間——
この子は、生きている人間じゃない。
確信した。
足元が影と一体化しているようにぼんやりとしていて、目が異様に黒い。
その口が、ゆっくりと開く。
「……ちょうだい」
声はか細く、冷たい。
おもちゃを渡す
一瞬、何のことかわからなかったが、ポケットに手を入れると、中古屋で買ったロボットの感触があった。
——もしかして、これか?
恐る恐るおもちゃを差し出すと、子どもはスッとそれを受け取った。
「……ありがと」
その瞬間——
子どもの姿がすっとかき消えるように消えた。
何もなかったかのように、そこにはただの暗いトンネルがあるだけだった。
その後
それ以来、そのトンネルを通ってもあの子どもは現れなかった。
ただ、後日ネットであの場所を調べてみると、古い記事が出てきた。
「昭和○○年、暗がりトンネル近くで幼い男の子が行方不明」
そして、最後に目撃されたとき、その子はお気に入りのゼンマイロボットを持っていたという。
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