怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

月が二つあった夜 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

投稿日:

小さな頃の不思議な思い出

子どもの頃、夏休みに田舎の祖父母の家へ遊びに行くのが恒例だった。

広い畑と山、夜になると満天の星空。都会育ちの僕にとって、それはまるで別世界のようだった。

でも、一度だけ、どうしても説明のつかない不思議な夜があった。

祖父の言葉

あれは、小学二年生の夏だったと思う。

夜、縁側に座って祖父とスイカを食べながら、空を眺めていた。

「おじいちゃん、今日の月、大きいね」

「そうじゃのう」

そのとき、ふと違和感を覚えた。

月が……二つ、ある?

どちらも満月で、色も明るさもそっくりだった。

「おじいちゃん、あの月、どうして二つあるの?」

祖父は少し驚いたような顔をして、しばらく黙っていた。

「……お前も見えるのか?」

「うん」

「……そうか」

祖父は静かにスイカの種を飛ばしながら、ぽつりとつぶやいた。

「それはな、ご先祖様の月じゃ」

ご先祖様の月

祖父の話によると、年に一度、特定の夜だけ、月が二つ見えることがあるらしい。

一つは普段の月。もう一つは、昔ここに住んでいた人々が見ていた月。

「昔の人も、こうして月を眺めてたんじゃろうな」

「昔の人の月?」

「そうじゃ。時々、二つの月が重なって、昔と今がつながることがあるらしい」

そんな話を聞いているうちに、なんだか不思議な気分になった。

もう一つの月の下では、昔の人たちが今も暮らしているのだろうか?

ふと目をこすると、二つの月はゆっくりと重なり、一つになった。

「……消えた?」

「もう終わりじゃな。来年の夏も、見られるといいのう」

今でも不思議な記憶

大人になった今、あの夜のことを思い出すと、不思議な気持ちになる。

あれはただの見間違いだったのか、それとも本当に"昔の人の月"だったのか。

祖父はもういない。

でも、毎年夏の夜、ふと月を見上げると、あのときの光景が鮮やかによみがえる。

もしかしたら、またいつか——二つの月が現れる夜が来るかもしれない。



■おすすめ

マンガ無料立ち読み

1冊115円のDMMコミックレンタル!

人気の漫画が32000冊以上読み放題【スキマ】

人気コミック絶賛発売中!【DMMブックス】




ロリポップ!

ムームーサーバー


新作続々追加!オーディオブック聴くなら - audiobook.jp



世界の心霊写真 ~カメラがとらえた幽霊たち、その歴史と真偽

新品価格
¥3,080から
(2024/10/17 10:26時点)



ほんとうにあった怖い話「年上の彼女」



ページをめくってゾッとする 1分で読める怖い話 [ 池田書店編集部 ]

価格:1078円
(2024/7/23 13:25時点)
感想(1件)



-怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集
-, , , , ,

Copyright© 映画・ドラマ・本・怖い話・奇妙な話・不思議な話・短編・ガールズ戦士シリーズ・Girls2(ガールズガールズ)などの紹介・感想ブログです。 , 2025 All Rights Reserved Powered by STINGER.