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梅雨の夜、ぬかるむ足音 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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梅雨の帰り道

梅雨の季節、夜道を歩くのが嫌い だった。

雨が降り続け、空気は生ぬるく、足元はぬかるんでいる。

会社帰りの 佐々木翔太(ささきしょうた) は、傘を差しながら人気のない道を歩いていた。

家まではあと十分ほど。

ザアアア……

雨音のほかに、何か 妙な音 が混じっている気がした。

「……足音?」

確かに、自分の後ろで ぬちゃっ、ぬちゃっ と、泥を踏むような音が聞こえる。

振り返っても、誰もいない。

「気のせいか……?」

そう思い、歩き出すと——

また ぬちゃっ……ぬちゃっ……

今度は 少し近づいている ような気がした。

見えない誰か

佐々木は、急に 背筋が冷たく なった。

梅雨の湿気のせいではない。

歩くたびに ぬかるむような足音 が、自分の足音と重なって響く。

まるで、誰かが 後ろにぴったりとついてきている ような——。

だが、振り向いても、誰もいない。

ぞくりとした。

怖い。

「とにかく家に帰ろう」

佐々木は 早足 になった。

しかし、その瞬間——

ぬちゃっ……ぬちゃっ……ぬちゃっ……!

足音も 同じ速度 でついてくる。

まるで、見えない誰かが並走している かのように。

消えない足跡

あと少しでアパートだ。

角を曲がれば、すぐ目の前のはず——。

しかし、ふと視界の端に 何かが見えた。

雨でできた 水たまりの中に、足跡がある。

自分の足跡ではない。

素足の、小さな足跡。

それが 自分と同じ歩幅で、並んでいる。

そして、その足跡は、自分のものよりも先を歩いていた。

「……俺より、前に?」

その瞬間、背後で——

「ぬちゃっ」

佐々木は 硬直 した。

もう、振り向けない。

梅雨が明けるまで

翌朝、雨は止んでいた。

しかし、佐々木は 仕事を休んだ。

昨夜のことを思い出すと、どうしても外に出る気になれなかった。

カーテンの隙間から外を見る。

昨夜の足跡は、どこにもなかった。

安心して、ソファに体を沈めた。

しかし——

テレビの電源が 勝手に入った。

画面に映し出されたのは、ニュース。

「昨夜、近くの住宅街で不審な事故が発生しました——」

そこには、どこか見覚えのある 濡れたアスファルト が映っていた。

そして、レポーターが指差す先に——

素足の、小さな足跡がいくつも残っていた。

佐々木の アパートのすぐ近くに。



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