怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

危険な溝の怪 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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近所の古い溝

俺が子供のころ、家の近くに古くて深い溝があった。

幅は1メートルほどだが、底が見えないほど暗く、覗き込むとひんやりとした空気が漂っていた。

「この溝には近づくな」

大人たちはそう言い聞かせてきたが、理由を聞いても誰も答えようとしなかった。

ただ、昔から何人もの子供が落ちたらしく、落ちた者は二度と見つからなかったという噂があった。

ふざけ半分で覗いた日

小学5年の夏休み。

友達のタクと二人で、その溝の前に立った。

「なあ、本当に危ないのかな?」
「さあ? でもさ、ちょっとだけ覗いてみようぜ」

俺たちは溝の端に立ち、そっと中を覗き込んだ。

……何も見えない。

底があるはずなのに、光が吸い込まれるように黒いだけだった。

すると——

「……ぉぃ……」

小さな声が聞こえた。

「えっ?」

俺とタクは顔を見合わせた。

「……たす……けて……」

溝の中から、子供の声が聞こえる。

ぞくっと背筋が寒くなった。

溝の奥から、白い指がにゅっと伸びてきた。

「うわっ!!」

俺たちは悲鳴を上げ、夢中でその場から逃げた。

失踪した友達

翌日、学校に行くとタクが来ていなかった。

心配になって家を訪ねると、タクの母親が青ざめた顔で言った。

「昨日の夜から帰ってこないの……」

胸が嫌な予感でいっぱいになった。

タクは、昨日の夜、もう一度あの溝を見に行くと言っていたのだ。

俺は震えながら、親や先生に伝えた。

警察が捜索したが、溝の中からも周辺からもタクの痕跡は何一つ見つからなかった。

忘れ去られた恐怖

それから10年が経ち、俺は故郷を離れた。

ある日、地元の友人から連絡があった。

「あの溝、埋め立てられたらしいよ」

俺はどこかほっとした。

しかし、その友人が言った最後の言葉が、今でも忘れられない。

「でもさ……掘り返したとき、子供の靴が何足も出てきたらしい」

俺はその瞬間、思い出した。

——タクが最後に履いていた、青いスニーカーのことを。



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