「 月別アーカイブ：2025年03月 」 一覧

忘れられた防空壕 「この先に、防空壕があるらしいよ」 夏休み、地元に帰省していた拓也は、幼なじみの慎二と山を歩いていた。慎二が言うには、戦時中に使われていた防空壕が山の奥にあるらしい。 「俺のじいちゃ ...

俺の地元には、戦時中に使われていた防空壕がいくつか残っている。 とはいえ、どれも老朽化が進んで立ち入り禁止になっているものばかりだ。 だが、子供の頃は肝試し感覚でその防空壕に入り込む奴らがいた。 俺も ...

プロローグ：近道のはずだった 俺の田舎には、昔から「おばけ森」 と呼ばれる場所がある。 正式な名前はないが、誰もがそう呼んでいた。 子どもの頃、祖母からよく聞かされた。 「あそこはね、夜に通っちゃいけ ...

「おばけ森」と呼ばれる場所 俺の地元には、子供のころから「おばけ森」と呼ばれる森がある。 本当の名前は別にあるのかもしれないが、誰も正式な名称を知らない。 森の入り口には柵があるが、錆びついていて壊れ ...

【プロローグ】 「おばけ森には、近づいちゃダメだよ。」 子供のころ、祖母にそう言われたことを覚えている。 実家の裏山には、地元の人たちが「おばけ森」と呼ぶ森があった。 木々が異様に密集しており、昼間で ...

時間が進まない部屋 社会人2年目の佐藤は、新しく借りたワンルームの部屋に満足していた。駅近で家賃も手頃、内装もシンプルで清潔感がある。 だが、奇妙な違和感を覚えるようになった。 「時間が全然進んでいな ...

ある日曜日の午後、俺は近所の古びた喫茶店に入った。 特に理由はなかった。ただ、歩いている途中に見かけて、なんとなく入りたくなったのだ。 店内は静かで、客は俺一人だけだった。 レトロなインテリア、古びた ...