怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

しっぽの生えた子供 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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山奥の分校

俺の祖父がまだ小学生だった頃の話だ。

祖父は山奥の小さな分校に通っていた。

生徒の数は少なく、たった10人ほど。

全員が顔見知りで、まるで家族のように仲が良かったという。

だが——ある日、一人の転校生がやってきた。

しっぽを持つ転校生

転校生の名前は「カズヤ」。

年の頃は祖父と同じくらいで、大人しくて無口な少年だった。

だが、彼には奇妙な特徴があった。

「カズヤの尻のあたりに、何か生えてる」

クラスの誰かがそう言い出した。

体育の着替えの時、彼のシャツの裾からふさふさした毛の束がちらりと見えたのだ。

最初は「見間違いだろ」と誰も信じなかった。

しかし、ある日——

俺の祖父は、はっきりとそれを見てしまった。

夕暮れの教室で

放課後、祖父はうっかりノートを忘れ、教室に取りに戻った。

教室の隅に、カズヤが立っていた。

窓の外をじっと見つめ、何かをつぶやいている。

「カズヤ?」

声をかけようとした瞬間——

彼の背後から、長い「しっぽ」が伸びているのが見えた。

ふさふさとした黒い毛に覆われた、それは明らかに動物のものだった。

祖父は息をのんだ。

次の瞬間、カズヤがゆっくりとこちらを振り向いた。

彼の口元には、鋭い犬歯が覗いていた。

失踪

翌日、カズヤは学校に来なかった。

先生は「転校した」と言ったが、それを信じる者はいなかった。

カズヤの家族は、昨夜忽然と姿を消したのだ。

残されたのは、家の中に散らばる獣の毛と、鋭い爪痕だけだった。

大人たちは「山の怪物が連れていった」と囁いた。

祖父は、あの夜見た「しっぽ」を思い出し、恐怖に震えたという。

忘れられない光景

それから数十年が経った。

祖父はこの話を決して誰にも話さなかったが——

ある日、孫である俺にだけそっと打ち明けた。

「今でも、夢に見るんだ」

「カズヤが、あの長いしっぽを揺らしながら、じっとこっちを見ている夢をな……」

祖父はそう言って、遠くを見つめた。

まるで、今でも彼の気配を感じているかのように——。



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