目次
フリーマーケットで買った人形
ある休日、俺は姉の子供・カナの誕生日プレゼントを探しに近所のフリーマーケットへ行った。
子供向けのオモチャが並ぶ中、ふと目についたのが古びた人形だった。
少し色褪せていたが、ピンクのドレスを着た可愛らしい少女の人形。
「カナが喜びそうだな……」
そう思い、値札を見た。100円。
妙に安い。
出品者は小柄な老女だった。
「それを買うの?」
老女はどこか不安げな表情で俺を見た。
「ええ、姪っ子の誕生日プレゼントに」
「……あまり、よくないものだけどね」
老女は何か言いたげだったが、結局それ以上は何も言わず、俺はその人形を持ち帰った。
おかしな出来事
カナに人形を渡した時、彼女はとても喜んでいた。
「かわいい! 名前は『リリィ』にする!」
その日からカナはリリィと一緒に眠るようになった。
だが、それ以来——姉から奇妙な話を聞くようになった。
「夜中にね、カナが誰かと喋ってるの」
「……寝言じゃないのか?」
「違うの。はっきりと『うん』『わかった』とか返事をしてるのよ」
カナに尋ねても、彼女は「リリィとお話してるの」と無邪気に答えるだけだった。
雨戸の向こうのノック
その話を聞いてから数日後、俺は姉の家に泊まることになった。
深夜2時、俺は目を覚ました。
コツ…コツ…
「ん……?」
窓の外から、何かをノックする音が聞こえた。
コツ…コツ…
「雨戸……?」
窓には雨戸が閉められている。だが、明らかに誰かが外側から叩いている音だった。
俺は恐る恐る立ち上がり、カナの部屋を覗いた。
カナはぐっすり眠っている。
しかし——
リリィの人形が、窓の方を向いていた。
しかも、左手を上げていた。
まるで、窓の向こうの何かに合図を送るように。
呪われた人形
俺はゾッとして姉を起こし、すぐにフリーマーケットの老女を探し出した。
「だから言ったのに……」
老女はため息をついた。
「あの人形ね、昔ある家の子供が大事にしていたの。でも、その子は事故で亡くなったのよ」
「……じゃあ、カナが話していた相手って?」
「わからない。ただ、その人形が持ち主を求めているのは確かね」
俺はすぐに神社で人形の供養を依頼した。
すると、その夜から雨戸のノックはピタリと止んだ。
カナは「リリィがどこかに行っちゃった」と少し寂しそうにしていた。
しかし……俺は未だに思い出す。
あの夜、雨戸の向こうにいたのは、いったい誰だったのか——。
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