目次
雨戸を閉める夜
都内で一人暮らしをしている俺は、2週間ほど前から奇妙な音に悩まされていた。
深夜2時を過ぎたころ、寝室の雨戸の向こうから、コツ…コツ…とノックするような音が聞こえるのだ。
最初は風のせいだと思っていた。
しかし、音は一定のリズムで続き、まるで誰かが意図的に叩いているように思えた。
「気のせい、気のせい……」
そう自分に言い聞かせ、布団をかぶってやり過ごした。
だが、次の夜も——そして、その次の夜も、音は続いた。
コツ…コツ…
音がするのは決まって深夜2時。
しかも、その日は少しだけ雨戸が開いていた。
俺はぞっとして、すぐにガラガラと閉め直した。
だが、その瞬間——
コツ…コツ…
音は、すぐ目の前で鳴った。
雨戸の外には何が?
さすがに気味が悪くなった俺は、次の日、会社の同僚に相談した。
「それさ、もしかしてこの部屋の前の住人が関係してるんじゃないか?」
「……前の住人?」
「お前の部屋、ちょっと安かっただろ? なんかあったんじゃね?」
そう言われると、この部屋は相場より1万円ほど安かった。
不動産会社の担当は「特に問題はありません」と言っていたが、気になった俺は管理会社に問い合わせてみた。
すると——
「……その部屋、実は2年前に住んでいた女性が、雨戸を閉めたまま亡くなっていたんです」
俺は背筋が凍った。
「発見されたのは1ヶ月後でしてね。ご近所さんが『夜になると雨戸をコツコツ叩く音がする』と通報したのがきっかけでした」
「……嘘ですよね?」
「いえ、実際にあった話ですよ」
真夜中の雨戸
その夜、俺は怖くなって眠れなかった。
深夜2時。
コツ…コツ…
相変わらず、音は続いている。
怖い。でも、このままじゃいけない。
意を決して、俺は雨戸を開けることにした。
ガラガラ……
音を立てて雨戸を開けた。
そこには、何もいない。
ホッとしたのも束の間、俺はふと気づいた。
雨戸の内側に、無数の細い指の跡がついている。
それは、まるで中から外へ出ようともがいた跡のようだった——。
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