目次
一人暮らしのアパート
田中(たなか)は、最近引っ越してきたばかりのアパートで一人暮らしをしている。
築30年以上の古い木造建築だが、家賃が安く、職場にも近い。
ただ、夜になると妙な音がするのが気になっていた。
それは、決まって雨戸を閉めた夜にだけ聞こえる。
最初の違和感
ある夜、田中はリビングでくつろいでいた。
突然——
「パキッ……パチン……」
何かが弾けるような音がした。
「……ラップ音?」
霊が出るときに鳴るという、あの音だ。
気のせいかと思いながらも、ふと窓に目をやる。
閉めたはずの雨戸が、わずかに揺れているのが見えた。
「風……だよな?」
だが、その瞬間——
「コン……コン……」
今度は雨戸をノックするような音が鳴った。
不審な音の正体
翌日、大家に相談すると、困ったような顔で言われた。
「ああ、それ……前の住人も言ってたねぇ。でも、隣に住んでた人が夜中にベランダに出る癖があってね。その人の仕業じゃないかってことで終わったんだけど……」
「でも、隣の部屋、今は誰も住んでませんよね?」
「そうなんだよ……おかしいよねえ……」
嫌な予感がしたが、田中はそれ以上聞かずに帰った。
雨戸を開けるべきか
その夜、またラップ音が聞こえた。
「パチッ……パキン……」
だが、前日よりも頻繁に鳴っている。
しかも——
「コン……コン……カリカリ……」
雨戸を叩く音に混じって、何かが引っかくような音まで聞こえてきた。
心臓がバクバクする。
「……開けた方がいいのか?」
だが、開けて何かいたらどうする?
悩んでいると——
「ドンッ!!!」
突然、雨戸が思い切り叩かれた。
驚いて飛び上がる。
逃げられない夜
怖くなって、田中はその夜を電気をつけたまま過ごした。
朝になり、意を決して雨戸を開けた。
そこには何もなかった。
ただ——
雨戸の内側に、無数の手の跡がついていた。
「内側……?」
それを見た瞬間、田中は理解した。
昨日、ラップ音やノック音が鳴っていたとき、"何か"はすでに部屋の中にいた。
雨戸を開けていなくても、最初から——。
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