目次
不明な請求
ある日、スマホの通知に見慣れないサブスク料金の請求が届いた。
「幽映 - ゆうえい - プレミアム:980円」
「……こんなの登録した覚えないんだけど」
動画系かと思い検索してみたが、「幽映」というサービスは見当たらない。
履歴を確認しても、登録した形跡はない。でも、しっかりと請求は来ていた。
試しにアプリの一覧を確認すると、見覚えのないアイコンがひとつ。
黒い背景に白い目玉のマーク。
名前は「幽映プレミアム」
「え……インストールした覚えないぞ?」
気味が悪くなり、アンインストールしようとしたが——できない。
再生される映像
その夜、スマホが突然バイブした。
アプリが勝手に起動し、動画が再生され始めた。
画面には、見たこともない薄暗い部屋が映っている。
ぼろぼろの畳、カーテンのない窓、埃っぽい空気。
最初は映画かドラマかと思ったが、すぐに違和感に気づく。
その部屋、自分の部屋によく似ているのだ。
いや、似ているどころではない。完全に一致している。
そのとき、動画の奥の押し入れがゆっくりと開いた。
中から、こちらをじっと見つめる何かが現れた瞬間——
動画はブツッと切れた。
利用規約の末尾
翌日、幽映の利用規約をなんとかアプリ内から探し出した。
細かい文字が何ページにもわたって続いている。
スクロールしていくと、最後のページに赤字でこう書かれていた。
本サービスは「視る」だけでは解除されません。
「視られる」までが契約です。
「……視られる?」
その瞬間、スマホのインカメラが勝手に起動した。
画面に映ったのは、自分の顔——のすぐ背後に、白い顔が浮かんでいる映像だった。
契約終了のお知らせ
画面が真っ暗になり、音声が流れた。
「ご利用ありがとうございました。契約は正常に終了しました。」
その瞬間、幽映に関するすべての記録がスマホから消えた。
アプリも、履歴も、請求情報も。
だが、気づいてしまった。
自分の背後、鏡に映る影がずっと消えないことに。
——きっと、視られたから。
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