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「時計の音が止まるとき」──深夜の秒針が告げるもの 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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静まり返る夜の部屋

大学進学を機に、俺は古いアパートに引っ越した。
駅から少し遠いが、家賃は格安。
それもそのはずで、いわゆる“事故物件”だったらしい。

「まあ、気にしなきゃ大丈夫だろ」

そう軽く考えていた。最初の一週間は、何も起きなかった。

だが、あの“音”が聞こえるようになってから、すべてが変わった。

時計の音が大きくなる

ある夜、ふと目が覚めた。
時刻は深夜2時。

——チク…タク……チク…タク……

部屋の壁に掛けた時計の秒針の音が、やけに耳につく。

いや、気のせいじゃない。
明らかに、音が大きくなっている。

チク……タク……チク……タク……

妙に重く湿った音。

「こんなにうるさかったか?」

気になって時計を外し、電池を抜いた。

しかし——

音は止まらなかった。

電池のない時計が動く

「……おいおい、まさか」

外した時計を見ると、確かに電池は抜かれている。

にもかかわらず、秒針は動いていた。

チク…タク……チク…タク……

しかも、音は部屋のあちこちから響いているように感じられた。
時計を外しても、音は消えない。

俺は布団に潜り込み、無理やり目を閉じた。

時間が止まる

次の日から、時計の音は毎晩、決まって午前2時ちょうどに大きくなる。
それが数日続いた。

5日目の夜。

チク…タク……チク…タク……

時計の音が最大に響いた瞬間——

秒針が止まった。

ピタリ、と。

同時に、部屋中の音がすべて消えた。

外の車の音も、風の音も、完全に。

そして、何かの気配が、背後に立った。

振り向けなかった。
振り向いたら、“それ”が何なのか分かってしまう気がして。

代わりに、耳元で囁き声が聞こえた。

「時間が……きた」

時計の音が止まらない部屋

その夜、俺は気を失った。

翌朝、目覚めたとき、部屋は普段通りだった。

だが、壁の時計は壊れていた。
秒針は、2時を指したままピクリとも動かない。

それなのに——

今も、時計の音は聞こえている。

チク…タク……チク…タク……

新しい時計に変えても、スマホの電源を切っても、深夜2時になると、秒針の音だけが部屋中に響き渡る。

そして今夜も、また——

秒針が止まる時刻が、近づいている。



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