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窓のない部屋で見たもの 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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奇妙なワンルーム物件

社会人になり、転勤で地方都市に引っ越すことになった俺は、急いで物件を探していた。

不動産屋が勧めてきたのは、駅近で家賃も安く、築浅のワンルーム。

ただひとつ気になったのは、「窓がない」ということだった。

「日当たりとか気にならなければ、ここはお得ですよ」

という営業トークに押されて、俺は深く考えずに契約してしまった。

無音の部屋

引っ越して初めて気づいたのは、外の音がまったく聞こえないことだった。

電車の音も、人の声も、風の音すらもない。

分厚い壁と、防音の天井。

確かに静かで快適なのだが、何かが「違う」気がした。

夜、電気を消すと、部屋が完全な闇になる。

窓がないというのは、これほどまでに「外」と断絶された感覚を与えるのか。

初日の夜は、なぜかよく眠れなかった。

不自然な影

数日後、ある違和感に気づいた。

部屋の隅、天井近くの角。

そこに、ぼんやりとした影のようなものが浮かんでいる。

最初は照明の反射かと思ったが、どの角度から見ても、必ずそこにある。

「……シミか?」

気になってスマホのライトを当ててみた。

すると、驚くべきことに——

その影が、わずかに動いた。

映らない録画

怖くなって、スマホでその影を撮影しようとした。

しかし、画面には何も映らない。

代わりに、録画中に妙なノイズ音が入り、再生すると、そこには「誰かの呼吸音」だけが記録されていた。

さらによく聞くと、低い声で——

「ここにいる」

そう呟いているように聞こえる。

その夜、俺は一睡もできなかった。

前の住人

翌日、不動産屋に問い合わせてみた。

「……すみません、この部屋、前の住人ってどんな方でした?」

担当者はしばらく沈黙したあと、渋々教えてくれた。

「……実は、前に住んでいた方、失踪してるんです。」

「失踪……?」

「鍵も荷物もそのままで。まるで、部屋の中から"消えた"ように」

その話を聞いた瞬間、頭の中にある映像がよぎった。

あの部屋の隅。

あの、影のあった場所。

——あそこに、誰か"いる"。

窓のない理由

引っ越しを決めた最終日、ふと部屋の壁をコンコンと叩いてみた。

すると、一箇所だけ妙に響く場所があった。

不自然に空洞っぽい音。

恐る恐る壁を押すと、カツン……と何かが動いた音がした。

それと同時に、またあの声が耳元で囁いた。

「逃げられない」

——俺は、そのまま部屋を飛び出した。

契約を破ってでも、もう戻る気にはなれなかった。

今でも、あの部屋には誰かがいる。

窓のない部屋の、誰にも見えない隅で、ずっと、誰かを待っている。



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