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イマジナリーフレンド──もう1人の“ともだち” 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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幼い弟の不思議な会話

俺の弟、ユウキが5歳の頃。

家の中でよく誰かと楽しそうに会話している姿を見かけた。

最初はぬいぐるみと遊んでいるのだと思っていたが、よく聞いていると会話のキャッチボールが成立している。

「今、誰と喋ってるの?」と聞くと、ユウキは笑いながらこう言った。

「ともだちだよ! イマジナリーフレンドの“アカネちゃん”!」

その名前を聞いたとき、どこかで聞いたような違和感を覚えたが、子供の空想だと特に気にも留めなかった。

アカネちゃんの正体

だが、日が経つごとにユウキの行動はエスカレートしていった。

1人でいるときも、食事中も、寝る前も、ずっとアカネちゃんと会話している。

そしてある日、ユウキがぽつりと言った。

「アカネちゃんね、お兄ちゃんのことも見てるよ。」

背筋がゾクリとした。

俺はそんなつもりはなかったが、なんとなく「アカネちゃんって、どんな子なの?」と聞いてみた。

ユウキは無邪気に答えた。

「白いワンピース着てて、髪の毛が長くて、顔が……ないよ!」

笑顔でそう言った瞬間、部屋の空気が冷たく変わった気がした。

消せない記憶

夜になり、母にアカネちゃんの話をすると、母の顔色が急に変わった。

「その名前……」

母は数秒、口を閉じた後、静かに話し始めた。

「ユウキが生まれる前、この家にはね、“アカネちゃん”って子が住んでたの。事故で亡くなった女の子。」

その話を聞いた瞬間、鳥肌が立った。

母は続けた。

「その子、近所でも有名だった。白いワンピースが好きで、髪が長い子だったのよ。」

顔の血の気が引く。

「……まさか、ユウキが話してる“アカネちゃん”って……」

母は静かに頷いた。

最後の会話

その夜、ユウキの部屋をこっそり覗いた。

ベッドの横には、当然誰もいない。

だがユウキは暗闇に向かって、ポツリと話していた。

「アカネちゃん、もう行くの?」

しばらく沈黙の後、ユウキが寂しそうに笑った。

「うん、また遊ぼうね。」

それ以来、アカネちゃんの話は一切しなくなった。

けれど、今でも時々、ユウキは夜になると何もない壁の方をじっと見つめて、微かに微笑んでいる。

本当に、アカネちゃんは“想像の友達”だったのだろうか。



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