目次
【はじまり:娘の友だち】
一人暮らしのシングルマザー佐々木美咲(ささきみさき)には、小学1年生の娘葵(あおい)がいた。
ある日から、葵はやたらと家の中で「タクくん」と遊んでいると話すようになった。
「タクくん、今日も一緒に遊んでたよ!」
「どこの子?」
「違うよ。タクくんは、タクくんだよ。」
子ども特有の想像上の友達か……と美咲は気にしていなかった。
だが、この「タクくん」は、あまりにもリアルな存在として葵の中で生活をしていた。
【奇妙な一致】
ある日、美咲は葵の絵日記を何気なく見ていた。
その中に、タクくんの姿が描かれていた。
短髪の男の子、青い帽子、赤いランドセル。
(……なんだか、どこかで見たような……)
それから数日後、近所の図書館で偶然、10年前に起きた事故の記事を見つけた。
——小学校の近くで交通事故に遭い、亡くなった男の子の名前は「拓海(たくみ)」。
しかも、当時の写真には、葵の絵に描かれたのと同じ服装の男の子が写っていた。
【夜中の会話】
不安になった美咲は、葵に問いかけた。
「タクくんって、どこに住んでるの?」
葵は笑顔で答えた。
「うちだよ。ずっとこの部屋にいるよ。」
ぞっとした。
さらに数日後、美咲は夜中、寝室で目を覚ました。
リビングから、葵の声が聞こえる。
「うん、わかったよ。ママには言わないよ。」
小さな笑い声と、もうひとつ、聞き覚えのない男の子の声が返事をしている。
しかし、翌朝聞くと葵は、
「え? タクくんと話してたのは昼間だよ。夜は寝てたよ?」
と、あっけらかんと答えた。
【消えない友だち】
その夜、美咲はふとクローゼットを開けた。
すると、中には、古びた青い子ども用の帽子がかかっていた。
葵に尋ねると、
「タクくんが貸してくれたの。
でも、タクくんのママが迎えに来るまで預かってて、って。」
そう言った。
もちろん、タクくんの母親など、現実には存在しないはずだった。
そして——
最後に、葵はこう付け加えた。
「タクくん、言ってたよ。次はママと一緒に遊ぶって。」
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