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【奇怪な現象】「この世から消えた音──静寂に潜む恐怖」 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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音が消えた街

社会人になり、俺は地方都市の小さなマンションに引っ越した。
住み始めて数日後、何かが「おかしい」と感じた。

夜になると、不自然なほど静かなのだ。

田舎だから車の音が少ないのは分かる。
だが、風の音、虫の声、電車の踏切音、隣人の生活音……

すべての「音」が、ない。

窓を開けても、耳を澄ませても、ただの無音。

「こんなに静かな場所だったか?」

違和感を抱きつつも、生活を続けた。

消えた音の正体

ある夜、職場の同僚と飲みに行き、帰り道でその話をした。

「なぁ、最近この辺って、静かすぎないか?」

すると同僚は、少し困ったように笑った。

「……お前も気づいたか。
実はこの町、音が消えていってるらしい。」

「は?」

「先月まではカラスも鳴いてたし、子供たちの声もしてた。でも今は聞こえないだろ?」

言われてみれば、そうだった。

町中の音そのものが、徐々に消えていっている。

無音の正体

翌日、町の図書館で古い新聞を調べた。

約10年前——この地域一帯で、原因不明の「音が消える現象」が報告されていた。

公園の風車が回っているのに風切り音がしない。

駅のアナウンスが突然無音になる。

赤ん坊が泣いているのに、音が出ない。

記事はこう締めくくられていた。

「音が消えるとき、その場所には『何か』がいる」

最後に消えるもの

その夜、自宅で寝ていると、目が覚めた。

耳を澄ますが——音が、ない。

いや、本当に何も聞こえない。

心臓の鼓動も、自分の呼吸音さえも。

音だけが、この世から完全に消えていた。

そして次の瞬間、部屋の隅に、黒い影が現れた。

その影は、形を変えながら、ゆっくりと近づいてくる。

音がないので、気配だけが異様に濃く感じられる。

俺は何もできず、ただ目を閉じた。

音のない世界

朝、目が覚めると、町は普段通りだった。

しかし、ひとつだけ違った。

二度と自分の声が出なくなっていた。

病院でも原因不明。医師は首を傾げるだけだった。

それ以来、俺は知っている。

「音が消えるとき、この世から何かが奪われる」

消えるのは人間じゃない。
“音”という存在そのものが消されていく。

次に消えるのは——あなたの周りかもしれない。

静寂が深まったその瞬間、そばにあれがいるはずだ。



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