目次
写真立てが落ちる理由
祖母の家には、昔から居間の棚に家族写真が入った写真立てが並んでいた。
中でも、ひときわ古いモノクロ写真の額だけは、何度直しても必ず同じ場所から落ちて割れる。
祖母はそのたびにため息交じりに言っていた。
「また落ちたのね……。変だわ。置き方はいつも同じなのに。」
もちろん地震もなく、揺れるようなこともなかった。
けれど、その写真立てが割れると決まって数日以内に家族に何か起こるのだった。
小さな怪我、突然の病気、交通事故寸前のトラブル。
まるで、何かの前触れのように。
スピリチュアルな意味
ある日、祖母が知り合いの霊能者に相談してみた。
その人は、写真を一目見るなりこう言った。
「この写真……写っている方は、強い未練を残したまま亡くなられた方ですね。」
実はその写真に写っているのは、若くして亡くなった祖母の姉だった。
霊能者は続けた。
「何かあったとき、あなたたちに知らせたくて落ちるんです。悪意ではなく、注意してほしいというサインなんですよ。」
その日から、写真立てが落ちたときは「何か起こるかもしれない」と家族全員が注意するようになった。
そして実際、それで助かったこともあった。
雨の日、写真立てが割れた次の日、母が運転していた車は交差点でスリップしかけたが、とっさの判断で事故を免れた。
「もしあの時、写真立てのことを思い出してなかったら……」
母は今でもそう語る。
不思議な静けさ
それ以来、不思議と写真立ては落ちることがなくなった。
割れた額縁は祖母が修理し、元の場所にそっと戻していたが、落ちたのはあの最後の日が最後。
「たぶん、ちゃんと気づいてくれるって分かったから、もう知らせる必要がなくなったんじゃないかな。」
祖母は優しく笑った。
不思議だけど、どこか温かさの残る出来事。
それ以来、我が家では写真立てが割れる=スピリチュアルな警告として、今も大事に伝えられている。
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