目次
【あの日、しでかしたこと】
社会人2年目の夏。久しぶりに集まった高校時代の友人たちと、夜のドライブに出かけた。
目的地は、地元では有名な心霊スポットのトンネル。
特に怖がりでもなかった智也(ともや)は、ふざけ半分でこんなことを言った。
「どうせ何も起きないんだろ。
じゃあ、証拠に石でも持ち帰ってやるか。」
そう言って、トンネルの入り口付近に落ちていた丸い石を一つ拾い、車に乗り込んだ。
それが、しでかしたことの始まりだった。
【帰宅後の異変】
家に帰ってシャワーを浴び、寝ようとしたその夜。
ふと枕元で、カサリ……と何かが転がる音がした。
暗闇の中、音のする方をそっと覗くと、昼間拾ってきたあの石が床に転がっていた。
(さっき机に置いたはず……)
違和感を抱きながらも、その夜は眠りについた。
しかし、翌朝目覚めると——
石は、枕元に置かれていた。
【繰り返す音と夢】
それから毎晩、決まって同じ時間。
カサリ、カサリ……。
部屋のどこからともなく石が転がる音が聞こえる。
そして夢の中では、見知らぬ女が必ずこう呟く。
「返して。私のもの……返して。」
【友人の忠告】
異変に耐えかねた智也は、一緒にトンネルへ行った友人たちに連絡した。
すると、友人の一人が言った。
「お前……あそこから石、持ち帰ったのか?」
「悪いけど、"持ち帰っちゃいけないもの"だったらしい。
あの場所、昔事故で亡くなった人の遺品が、回収できずに埋まってるって噂があるんだ。」
【しでかした代償】
その夜、智也は石を持ってトンネルへ向かった。
「返します、返します……!」
そう何度も繰り返し、元の場所へそっと石を置いた。
その瞬間、背後からかすかに女の声が聞こえた。
「ありがとう。」
振り返っても誰もいない。
無事、家へ戻った智也は、あの夜から石の音を聞くことはなくなった。
だが、しばらくして引き出しを整理していたとき、ポケットの中に見覚えのない小石が一つ。
(……いつ入れたんだ?)
考えたくなくて、すぐに捨てた。
けれどその夜——
枕元で、またあのカサリ……という音が響いた。
彼があの夜しでかしたことは、簡単に許されなかったのだ。
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