目次
夜道ですれ違った子どもたち
その夜、俺は残業帰りにいつもとは違う裏道を歩いていた。
夜の住宅街は静まり返り、人の気配もない。
しかし、ふと曲がり角を抜けた瞬間、前方の暗がりに子どもたちがゾロゾロと列をなして歩いているのが見えた。
「……こんな時間に?」
時刻は深夜1時を過ぎている。
ランドセルを背負った小学生くらいの子どもたちが、無言で道の真ん中を歩いている。
その光景に、不気味さを感じた。
人形のように整った子どもたち
驚いたのは、すれ違いざまだった。
子どもたちの顔が、まるでプラスチックで作られた人形のように、のっぺりと硬い。
無表情のまま、瞬きもせず、整った隊列で歩いていく。
肌の色も、どこか蝋細工めいて生気がない。
「……人間じゃない?」
ぞわりと背筋を冷たいものが這い上がる。
ロボットのような動き
足音もなく、子どもたちは全員、同じ角度で首を傾け、同じテンポで足を動かしている。
まるでプログラムされたロボットのように。
1人、また1人と俺の横を通り過ぎていくたび、無表情な顔がこちらをじっと向けていく。
しかし、目はどこか曇っていて、本当に「見ている」のかも怪しいほどだった。
最後尾の子どもだけ、かすかに口を動かした。
「次は、キミだよ」
その瞬間、足がすくみ、動けなくなった。
誰も見ていないはずの行列
子どもたちが曲がり角を過ぎ、視界から消えたあと、俺は急いで同じ場所まで駆け寄った。
しかし、そこには誰の姿もなく、足跡も残っていなかった。
近所のコンビニで店員に尋ねても、「この時間に子どもなんて見たことないですよ」と首をかしげられた。
家に戻ってからも、耳の奥で、あの声が響いていた。
「次は、キミだよ」
今も夜道を歩くたび、どこかでゾロゾロと歩く足音のない集団が現れる気がしてならない。
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